映画とライフデザイン

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映画「逆転のトライアングル」 リューベン・オストルンド

2023-03-02 05:00:12 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「逆転のトライアングル」を映画館で観てきました。


映画「逆転のトライアングル」はスウェーデンのリューベン・オストルンド監督がカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した作品である。サバイバル系の映画ってあまり好きじゃない。今回も迷ったけど、一応話題作なので観てみようという気持ちだけで映画館に向かった。

人気女性モデルのヤヤが豪華客船の旅に招待され、恋人の男性モデルのカールと乗船する。船には超富裕層がうじゃうじゃいる。ところが、嵐の中の航海の後で海賊に手榴弾を投げられて船は爆発して生き残った乗船客は無人島へと漂着する。そこでは、サバイバル能力のあるトイレ掃除の女が、立場を逆転してリーダーになる。

実につまらない映画だった。
前半戦が退屈だ。モデル同士で話す会話の意味がよくわからない。女の稼ぎがいいのに男がおごるおごらないで、こんなにネタになるの?退屈!乗船してからは、自分勝手な富豪の客たちの振る舞いの描写が続く。それぞれに個性を持たせているが、見ていて不快な感じしかしない。その不快な面々が嵐の航海で、嘔吐しまくる。小汚い。イヤー!ひでえ話だと思ったら、船が突然海賊に手榴弾を投げられて爆破してしまう。


無人島のサバイバルは今まで色んな映画で取り上げられてきたし、立場が無人島に来て逆転する話も過去にはいくつもある。もともと便所掃除のおばさんだったアジア系の女が急に威張りだした。海に潜って手づかみでタコを獲ったりするのだ。育ちが育ちなんで、原始的生活にも耐えられちゃうのだ。食料を用意するとなると、誰も何もいえずリーダーになってしまう。しかも、モデルのカールに無理やり性的に満足させるように仕向けるのだ。


まあ、いずれの話も中途半端で尻切れトンボ感が否めない。最後に向けて、たぶんこうなるんだろうなあと観ていて、その通りになりそうだった時に映画が終わる。普通の映画と違って、中途半端な感じがしたのでエンディングロールの後にオマケがあるのではと席を立つ人がいなかった。でも、何もなかった。

これがパルムドールだと推薦する人たちと自分とは感覚が違うのでは?と感じてしまう。これが欧州映画界の感覚か? それでも、前の年のフランス映画「TITAN」もかなり飛んでいたけど、まだ理解できた。つまらないなら、何も書かない。でも、パルムドールを受賞した作品だとすると、備忘録的に残しておかねばと思った。


ただ、大富豪たちが食べる船上ディナーの食事は、驚くくらい美的でおいしそうなものだった。その一方でこのおいしい食事を次から次へと嘔吐するシーンが続くのもすごいなあ。嵐で船の中が大荒れになった時に船長とロシア人富豪の1人がやたら社会主義の話をしていた。レーガンの言葉をはじめとした名言が飛び交う。大揺れで誰もが立っていられないその時にこれって何が言いたいのだろうと考えていたら船は爆破。。
コメント
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