私のブログでは宗教のことを何度を取り上げています。いろいろな視点からの感想や考察を公平に紹介し、皆様にお考え頂ければ幸いと思っています。
最近、吉備野禅三様(本名:銭本三千年(ぜにもと みちとし)様)とおっしゃる方がご自分の宗教にたいする心の軌跡を真摯に御書きになっている文章を読み、感動しましました。
ご本人の許可を頂けましたので何回かに分けて連載したいと思います。
戦争になると宗教の教団がどうなるか?貴重な歴史的な記録と思います。
====ある方の宗教に対する心の軌跡(1)「軍国少年」だった私の告白=====
◎ 第二次世界大戦・・・日本を巻き込んだ15年戦争。その全時期を、私は「軍国少年」として育ち、敗戦を迎えた時、15歳でした。熱心なキリスト教徒であった母の影響で、私は幼児洗礼を受けたクリスチャンでもありました。何が私を「軍国少年」に育てたのか?
◎ 老境に入った今、静かに、それを想う時、私は、二つの「神」に操られたことを思います。
”現人神”(この世の生き神様)の「天皇陛下」と、日本独特の”日本基督教団”が奉戴した「全知全能の唯一神」です。
◎ 信じられないでしょうが、この二つの”神”は、共に、あの戦争を、西欧帝国主義が植民地化したアジア友邦諸国を解放し、天皇陛下を盟主とする「八紘一宇」を樹立するための「聖戦」であると礼賛し、若者たちを戦場へ送りました。
◎ ”現人神”の責任追及は、天皇陛下の「人間宣言」で帳消しにされました。しかし、日本基督教団が奉戴した《「八紘一宇」を祝福した全知全能の神》については語られることがありません。
◎ 戦争翼賛のため合同し、第二次世界大戦を聖戦として信徒を戦場に送り出したこの教団は、”現人神”と仲のいい”日本式全知全能神”を創造しました。この事実と、過ちは知る人が少ないと思います。若いキリスト教信者が「靖国で会おう」を合い言葉に戦場におもむいた、その事実から目をそらしてはなりません。
◎ 私は、クリスチャン・ボーイであると同時に「軍国少年」であった自分の不思議を、キチンと整理し、次世代に残す責務を感じています。是非、以下の告白を真剣に受け止めて下さることを、国民の皆様にお願いいたします。(続く)
藤山杜人の感想:キリスト教の教団が戦争になるとどうなったかという貴重な記述と思います。教団を組織していたのは弱い人間でした。キリストの教えを深く理解しなかったのです。自分も同じようなことをしそうです。このような事実を戦後の日本は忘れたのでしょうか? あまりにも生活が苦しくて忘れようとしたのでしょう。でも今こそ静かに考えることが出来ます。そんな時代が来て幸いです。(続く)