明日で福島原発の4基の原発が爆発してから1000日になります。
この4基の原発の現場では、多くの人々が暗い気持ちで廃炉作業に従事しています。
暗い気持ちは廃炉作業の工程が明快でなく、希望が持てないからです。
毎日、毎日膨大な量の放射能汚染水がたまる一方で、それを貯蔵するタンクを置く場所が無くなる恐れがあるのです。
そして工場床とタンク地帯から汚染水が際限もなく漏れているのです。
この1000日目にあたり、福島原発の廃炉作業と膨大な汚染水の問題を冷静に考え直そしてみたいと思います。
それにはまず何が起きたかを写真で示します。
上下の写真の出典は、http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/430.html です。
上の写真は4基の原発の入っていた工場の建物が水素爆発で骨組みだけを残して吹っ飛んだ様子が写っています。
原発の入っていた工場の鉄鋼製の骨組みがグニャグニャになり、それを覆っていたぶ厚いコンクリートの屋根や壁が粉々になって吹き飛んで行ったのです。
この爆発の凄さから、普通の技術者なら以下の2つのことが理解できるのです。
(1)炉心冷却用の配管と発電棟へ高温の蒸気を送る配管など総ての配管に割れ目が出来てしまった。
(2)原子炉の入っていた原子炉格納工場と発電棟のコンクリート床も多数の割れ目が出来てしまった。
この(1)が原因になって、原発の燃料棒を冷却する水の循環系統から、際限もなく汚染水が、原子炉格納工場と発電棟の床に漏れるているのです。
そして(2)が原因になって晴天の日は汚染水が地下へ漏れているのです。雨が降ると地下水の水位が上がり、地下水が原子炉格納工場と発電棟の床に浸み出してきて汚染水と混じり、その量を増大させるのです。
その汚染水を毎日、毎日くみ出してはタンクに貯蔵しています。そのタンクの様子を写した写真を下に示します。
写真の出典は、http://katsumoku.net/archives/6751762.htmlです。
写真の下半分に林立しているのが汚染水が満杯になったタンク群です。
ここで皆様によくお考え頂きたい事実がございます。
完全廃炉まで40年かかると言われています。現在は1000日目、すなわち3年弱です。
仮に40を3で割ると約13です。ですから上のようなタンク群の13倍のタンクを作らなければなりません。
写真にあるように東京電力の所有する敷地は限られています。タンクを置く敷地が不足するいのが目に見えています。
その上、このように膨大なタンク群からの漏水を防止する費用と難しい技術の問題があります。
ですから現在の廃炉作業の将来には希望が持てないのです。計画性が無いのです。
地下を凍結して汚水染を囲い込むなどという荒唐無稽なことを発表しているから益々暗いに気持ちになるのは私だけでしょうか?
この問題は続編で書くことにして今日はこれで止めます。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)