後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

時は流れ、昔の映画館の記憶

2017年06月03日 | 日記・エッセイ・コラム
最近、我が故郷の仙台を訪れる旅に出ました。
久しぶりに見る仙台の町々は昔の商店がすっかり消えてしまい見知らぬ町になっていました。昔、何度も見に行った映画館の全も消えてしまいました。
時がどんどん流れ、繁華街の東一番丁にあったあの松竹、日活、東宝の映画館が跡形も無くなり綺麗な今風のブティック店になっています。
少し離れた場所にあった東北劇場や南街映画館も無くなりました。
戦後の娯楽と言えば映画を見に行くことが主でした。
どんな映画を見たか回想しながら仙台の町々を巡ってきました。「青い山脈」、「坊ちゃん」、「東京物語」、「ここに泉あり」などなど数多くの日本映画や西部劇などのアメリカ映画や「自転車泥棒」などのイタリア映画も「禁じられた遊び」や「太陽がいっぱい」などのフランス映画などなどの場面を思い出しました。
すべては忘却のかなたへ消えてしまったのではなく、思い出の場面は断片的に憶えているのです。
そこで帰りの東北自動車道路を走りながら最近見た映画を思い出していました。
最近見た映画で印象深かったのは今年の1月に見た遠藤周作原作、スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』でした。
そこで今日はこの「沈黙」を紹介した自分の記事をもう一度お送りいたします。

島原の乱も終り、江戸幕府のキリシタン弾圧がほぼ終了した時代に、2人のポルトガル人神父が行方不明の司祭を探しに無謀にも九州へ潜入して来たのです。ロドリゴ神父とガルペ神父です。
かつて尊敬していた司祭のフェレイラ神父は棄教し、幕府側になってキリシタンを捕縛、棄教させる役をしているという噂です。潜入したロドリゴ神父とガルペ神父は信者にかくまわれながらフェレイラ神父を探しまわります。
しかし2人とも捕まってしまい棄教を迫られます。ガぺラ神父は海に落とされた信者を助けようとして飛び込み、自分も役人に海に沈められて絶命します。
一方、ロドリゴ神父は生きてフェレイラ神父についに会うことが出来ました。しかしかつて尊敬していた師、フェレイラ神父は沢野忠庵と言う日本名を使用していてロドリゴ神父に棄教を迫ります。苦悩の末に棄教したロドリゴ神父は幕府から日本名を貰い、処刑された日本人の妻女を妻としてあてがわれます。
そして死ぬまで幕府側のキリシタン取り締まりに協力します。

以上のようなストーリーですがこの物語の特異点は、キリシタン弾圧のほぼ終わった頃に、無謀にも潜入をした若い2人の神父とそれを支える隠れキリシタン達との強い絆と愛の物語という点にあります。

この映画は28年前に「沈黙」を読み、感動したスコセッシ監督が長い年月をかけて準備し完成させた労作です。映画芸術の一大傑作です。感動しました。
心から皆様へお薦めいたします。
少なくとも人間とは何か? 宗教と人間の関係とは?というような疑問を考えたことのらある人は必ず見るべき映画です。貴方の疑問に解答は得られないでしょう。そして謎は深まるばかりです。
はたしてキリスト教は日本に必要なのでしょうか?それが日本に入って来たために殉教と言う大きな悲劇が起きたのです。
この遠藤周作の「沈黙」を読んだ私は35歳でカトリックの洗礼を受ける決心をしました。
私にとってこの映画は洗礼の喜びを蘇られさせてくれるのです。

さてそれでは数枚の写真でもう少しご説明いたします。写真の出典は、映画『沈黙ーサイレンスー』公式 (@chinmoku2017) | Twitter;https://twitter.com/chinmoku2017 です。

1番目の写真は厦門から困難な船旅の末やっと九州に秘かに上陸したロドリゴ神父です。隠れキリシタン達に熱い歓迎を受け、匿われます。隠れキリシタン達の為に洗礼をし、ミサをたてます。

2番目の写真はガーフィールド が扮したロドリゴ神父と窪塚洋介 が演ずるキチジローです。
キチジローは何度も踏み絵を踏むような意志の弱い男です。そして銀300枚のためにロドリゴ神父を官憲に密告します。
しかしキチジロウーはロドリゴ神父に告解を聴いて貰い神の赦しをえます。キチジローは何度もロドリゴを裏切ります。
そしてロドリゴも棄教し、日本名を使うようになってもロドリゴを離れようとしません。キチジローにとってロドリゴは最後まで神父、パードレなのです。最後に2人が別れるときもキチジローは「パードレ、告解を聞いて下さい」と言います。
この2人の最後の場面は感動的です。窪塚洋介 の演技力に驚きました。

3番目の写真は棄教前のロドリゴと塚本晋也演ずるモキチです。

4番目の写真は左から順に、村長のイチゾウ、モキチ、ロドリゴ、ガルペの4人です。ロドリゴ以外は殉教しました。

5番目の写真はフェレイラの苦悩に満ちた顔の写真です。
ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールドの演技には厚みがあり慈愛が滲んでいます。しかし棄教を薦める昔の師、フェレイラへの舌鋒は激しく攻撃的でした。それでもついにロドリゴも棄教します。
フェレイラを演じたリーアム・ニーソン の演技も棄教の悲しみを讃え重厚なものでした。
弾圧する側の 井上筑後守( イッセー尾形 )や通辞( 浅野忠信)などの演技もそれぞれ役にあっています。
スコセッシ監督の丁寧な演出の結果です。

さて皆様は戦後にどのような映画をご覧になったでしょうか?
最近はどんな映画をご覧になったでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

動画予告編;http://english.cheerup.jp/article/4464?d=rec4465

青梅市の吹上しょうぶ公園の花菖蒲をお楽しみ下さい

2017年06月03日 | 日記・エッセイ・コラム
今日も快晴です。初夏の陽気です。午前中に家を出て、車で1時間30分の青梅市「吹上しょうぶ公園」に行きました。
まだ咲いていないものも多くあり、満開は来週の中頃から後半になりそうでした。
静かな谷地を歩きながら写真を撮ってきました。
紫、白、水色の絞り、覆輪など様々な花を楽しんできました。どうぞ写真をお楽しみ下さい。
開花情報や交通の便などは、http://www.omekanko.gr.jp/Iris/Iris.php にあります。