6月23日に、タイ北部チェンライ郊外で、サッカーチームの少年ら12人と男性コーチ(25)が国立公園内のタムルアン洞窟探検に行って、洞窟内に閉じ込められました。
昨夜、この13人のうち4人が16日ぶりに救出されたのです。私は深く感動しました。
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1番目の写真は昨夜、救出した小年を病院へ運ぶ救急車の写真です。
これで全員を救出す可能性が確かになったのです。
しかしこの救出にはいろいろな事があったのです。
日本の新聞では個人名は無視する傾向にありますが、外国のマスコミは個人を尊重しその名前を明記します。
そこで今日は外国での報道ぶりをご紹介します。
7月6日には、救出に参加していた元、タイ海軍の特殊部隊の隊員だった潜水専門家が亡くなりました。亡くなったのはボランティアのサマン・クナン氏(38)です。洞窟内の子どもたちに酸素のタンクを運ぶ仕事をして戻る途中、帰らぬ人となったのです。
ご冥福をお祈りします。
それ以前の7月2日に、洞窟の入り口から約5キロの岩場に少年らがいるのを英国人ダイバーらが発見したのです。13人全員の無事が確認されたニュースには感動し嬉しくなりました。そこでそれに関する記事をお送りします。
『タイ不明少年ら、発見者は英ダイバー 世界の洞窟で救助経験』
【7月4日 AFP】、ttp://www.afpbb.com/articles/-/3181098
タイ北部チェンライ(Chiang Rai)県で、大雨により洞窟に閉じ込められていた少年サッカーチームの捜索活動では、世界中の困難な救助活動に挑んできた2人の英国人ボランティアダイバーが、少年らの発見に貢献した。
英国から捜索活動に参加したのは、普段は消防士として働くリチャード・スタントン(Richard Stanton)さんと、ITエンジニアのジョン・ボランセン(John Volanthen)さん。2人は、行方不明になってから9日が経過していた少年12人とコーチ1人を見つけるため、水位が上がった洞窟の長く曲がりくねった通路を進み続けた。
捜索隊にはさらに、もう1人の英国人、ロバート・ハーパー(Robert Harper)さんに加え、タイなど世界各国の専門家らが参加していた。英国のボランティア救助団体「英洞窟レスキュー協会(BCRC)」のビル・ホワイトハウス(Bill Whitehouse)さんによると、その中でもスタントンさんとボランセンさんは捜索隊の「最前線」に立っていたという。
救助隊と短い会話を交わしたというホワイトハウスさんは英BBC放送に対し、2人が「最後の区間を潜り、行方不明の一行が高台にいた空間にたどり着いた」と説明。「上流に向け潜っていたため、水流に逆らって泳いだり、壁に沿って自分の体を引っ張ったりする必要があった」と述べた。実際の潜水区間は約1.5キロだが、うち半分ほどが完全に水に浸かっており、総潜水時間は約3時間だったという。
「やらなければならない仕事がある」
イングランド南西部ブリストル(Bristol)在住でITエンジニアのボランセンさんと、同中部コベントリー(Coventry)在住の消防隊員であるスタントンさんは、過去にも難易度の高い潜水活動に参加してきた。
50代半ばのスタントンさんは2012年、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)から大英帝国勲章第5位のメンバー章(MBE)を受け取った際、地元紙に対し、自身の最大の功績はメキシコの洞窟に閉じ込められた英兵6人の救出活動に協力したことだと回想。洞窟潜水を始めたのは18歳の時、テレビのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけで、当初はただの「趣味」だったという。
一方、40代とされているボランセンさんは2013年、サンデー・タイムズ(Sunday Times)に対し、洞窟潜水に必要なのは冷静さであり、「パニックとアドレナリンは特定の状況では有効だが、洞窟潜水ではそうではない」と話していた。
タイ入りした2人はメディア取材を避けており、ボランセンさんは現場に到着した際に記者団に対し、「やらなければならない仕事がある」とだけ語った。(c)AFP
さてタイ王国は日本と非常に違う文化を持っています。そこで簡単に日本と違う点を3つだけご紹介します。
(1)現在は軍事政権独裁ですが、その上にラーマ10世という王様が君臨しています。
現在は軍事政権独裁ですが、現在でもチャクリー王朝の王様のいる王国です。国王の権限が大きく、不敬罪のある社会なのです。
この王朝は1782年(タイ仏暦2325年)に成立したのです。現在の王様は初代から数えて10代目のラーマ10世です。
(2)西暦でなく佛暦を用いている上座部仏教国です。
上座部仏教はまたの名前をテラワーダ仏教とも言います。英語で書くと Theravada Buddhism となります。南伝仏教徒やパーリ仏教とも言います。
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2番目の写真はTheravada仏教の僧侶達の写真です。上座部仏教では仏像はお釈迦さまの像です。日本のように観音像や薬師像や大日如来像なのようにいろいろありません。
この王国は 仏教を大切にしている文字通りの仏教国なので、お釈迦様が入滅した翌年の西暦の紀元前543年を仏滅紀元元年としている仏歴を日常生活に使っています。
ちなみに私は1936年生まれですから、これに543年を加えた仏歴の2479年に生まれたことになります。
現在のタイの人々はこの仏歴が身についていて西洋の西暦へ換算するのが難しい人々が多いそうです。
(3)タイでは全員がある期間、出家します。
出家するためには普通20歳以上でそれまで悪いことをしていないことが大切なのです。
出家の目的はお釈迦さまの教えを修行を通してより深く理解するためです。
出家の期間はいろいろですが、大体3ケ月くらいと言われています。それを済ませると一人前の大人と見なされます。
ですからタイの社会では出家は成人への通過儀礼として行われるとも考えられます。
しかしその一方で、自分の精神力を強めたり、社会性をつけたいなどの目的もあります。
基本的には出家で功徳を積み親や先祖の恩に報いるということが基本になっています。
写真で出家した少年達や若者の托鉢の風景をご紹介したいと思います。
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3番目の写真は少年僧の托鉢です。道端に座って食べ物を寄進している女の敬虔な表情にご注目下さい。
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4番目の写真は青年僧の托鉢です。左に普通の中年夫婦が籠いっぱいに食べ物を入れて僧侶一人一人へ寄進しています。右側には屋台を出して何か食べ物を売っている人も写っています。托鉢僧は商売ものには近づきません。タイの街角の日常の風景です。
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5番目の写真は托鉢を終えた青年僧が列を作って帰る姿です。その表情に深い宗教的な静かさが宿っていることにご注目下さい。托鉢は釈迦に帰依する心を強める祈りなのです。写真に写っている僧達は皆普通の人なのです。ある期間だけ出家しているのです。
さて人間の思わぬ悲劇は、その国の文化や政治に関係無く起きます。今回の洞窟で起きた悲劇はタイが仏教国だということとは全く関係がありません。
しかしこの際にタイ王国の文化を少しばかりご紹介いたしました。
今日は、全員が無事救出されるようにお祈りします。救出隊にも怪我や犠牲が起きないようにお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
昨夜、この13人のうち4人が16日ぶりに救出されたのです。私は深く感動しました。
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1番目の写真は昨夜、救出した小年を病院へ運ぶ救急車の写真です。
これで全員を救出す可能性が確かになったのです。
しかしこの救出にはいろいろな事があったのです。
日本の新聞では個人名は無視する傾向にありますが、外国のマスコミは個人を尊重しその名前を明記します。
そこで今日は外国での報道ぶりをご紹介します。
7月6日には、救出に参加していた元、タイ海軍の特殊部隊の隊員だった潜水専門家が亡くなりました。亡くなったのはボランティアのサマン・クナン氏(38)です。洞窟内の子どもたちに酸素のタンクを運ぶ仕事をして戻る途中、帰らぬ人となったのです。
ご冥福をお祈りします。
それ以前の7月2日に、洞窟の入り口から約5キロの岩場に少年らがいるのを英国人ダイバーらが発見したのです。13人全員の無事が確認されたニュースには感動し嬉しくなりました。そこでそれに関する記事をお送りします。
『タイ不明少年ら、発見者は英ダイバー 世界の洞窟で救助経験』
【7月4日 AFP】、ttp://www.afpbb.com/articles/-/3181098
タイ北部チェンライ(Chiang Rai)県で、大雨により洞窟に閉じ込められていた少年サッカーチームの捜索活動では、世界中の困難な救助活動に挑んできた2人の英国人ボランティアダイバーが、少年らの発見に貢献した。
英国から捜索活動に参加したのは、普段は消防士として働くリチャード・スタントン(Richard Stanton)さんと、ITエンジニアのジョン・ボランセン(John Volanthen)さん。2人は、行方不明になってから9日が経過していた少年12人とコーチ1人を見つけるため、水位が上がった洞窟の長く曲がりくねった通路を進み続けた。
捜索隊にはさらに、もう1人の英国人、ロバート・ハーパー(Robert Harper)さんに加え、タイなど世界各国の専門家らが参加していた。英国のボランティア救助団体「英洞窟レスキュー協会(BCRC)」のビル・ホワイトハウス(Bill Whitehouse)さんによると、その中でもスタントンさんとボランセンさんは捜索隊の「最前線」に立っていたという。
救助隊と短い会話を交わしたというホワイトハウスさんは英BBC放送に対し、2人が「最後の区間を潜り、行方不明の一行が高台にいた空間にたどり着いた」と説明。「上流に向け潜っていたため、水流に逆らって泳いだり、壁に沿って自分の体を引っ張ったりする必要があった」と述べた。実際の潜水区間は約1.5キロだが、うち半分ほどが完全に水に浸かっており、総潜水時間は約3時間だったという。
「やらなければならない仕事がある」
イングランド南西部ブリストル(Bristol)在住でITエンジニアのボランセンさんと、同中部コベントリー(Coventry)在住の消防隊員であるスタントンさんは、過去にも難易度の高い潜水活動に参加してきた。
50代半ばのスタントンさんは2012年、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)から大英帝国勲章第5位のメンバー章(MBE)を受け取った際、地元紙に対し、自身の最大の功績はメキシコの洞窟に閉じ込められた英兵6人の救出活動に協力したことだと回想。洞窟潜水を始めたのは18歳の時、テレビのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけで、当初はただの「趣味」だったという。
一方、40代とされているボランセンさんは2013年、サンデー・タイムズ(Sunday Times)に対し、洞窟潜水に必要なのは冷静さであり、「パニックとアドレナリンは特定の状況では有効だが、洞窟潜水ではそうではない」と話していた。
タイ入りした2人はメディア取材を避けており、ボランセンさんは現場に到着した際に記者団に対し、「やらなければならない仕事がある」とだけ語った。(c)AFP
さてタイ王国は日本と非常に違う文化を持っています。そこで簡単に日本と違う点を3つだけご紹介します。
(1)現在は軍事政権独裁ですが、その上にラーマ10世という王様が君臨しています。
現在は軍事政権独裁ですが、現在でもチャクリー王朝の王様のいる王国です。国王の権限が大きく、不敬罪のある社会なのです。
この王朝は1782年(タイ仏暦2325年)に成立したのです。現在の王様は初代から数えて10代目のラーマ10世です。
(2)西暦でなく佛暦を用いている上座部仏教国です。
上座部仏教はまたの名前をテラワーダ仏教とも言います。英語で書くと Theravada Buddhism となります。南伝仏教徒やパーリ仏教とも言います。
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2番目の写真はTheravada仏教の僧侶達の写真です。上座部仏教では仏像はお釈迦さまの像です。日本のように観音像や薬師像や大日如来像なのようにいろいろありません。
この王国は 仏教を大切にしている文字通りの仏教国なので、お釈迦様が入滅した翌年の西暦の紀元前543年を仏滅紀元元年としている仏歴を日常生活に使っています。
ちなみに私は1936年生まれですから、これに543年を加えた仏歴の2479年に生まれたことになります。
現在のタイの人々はこの仏歴が身についていて西洋の西暦へ換算するのが難しい人々が多いそうです。
(3)タイでは全員がある期間、出家します。
出家するためには普通20歳以上でそれまで悪いことをしていないことが大切なのです。
出家の目的はお釈迦さまの教えを修行を通してより深く理解するためです。
出家の期間はいろいろですが、大体3ケ月くらいと言われています。それを済ませると一人前の大人と見なされます。
ですからタイの社会では出家は成人への通過儀礼として行われるとも考えられます。
しかしその一方で、自分の精神力を強めたり、社会性をつけたいなどの目的もあります。
基本的には出家で功徳を積み親や先祖の恩に報いるということが基本になっています。
写真で出家した少年達や若者の托鉢の風景をご紹介したいと思います。
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3番目の写真は少年僧の托鉢です。道端に座って食べ物を寄進している女の敬虔な表情にご注目下さい。
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4番目の写真は青年僧の托鉢です。左に普通の中年夫婦が籠いっぱいに食べ物を入れて僧侶一人一人へ寄進しています。右側には屋台を出して何か食べ物を売っている人も写っています。托鉢僧は商売ものには近づきません。タイの街角の日常の風景です。
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5番目の写真は托鉢を終えた青年僧が列を作って帰る姿です。その表情に深い宗教的な静かさが宿っていることにご注目下さい。托鉢は釈迦に帰依する心を強める祈りなのです。写真に写っている僧達は皆普通の人なのです。ある期間だけ出家しているのです。
さて人間の思わぬ悲劇は、その国の文化や政治に関係無く起きます。今回の洞窟で起きた悲劇はタイが仏教国だということとは全く関係がありません。
しかしこの際にタイ王国の文化を少しばかりご紹介いたしました。
今日は、全員が無事救出されるようにお祈りします。救出隊にも怪我や犠牲が起きないようにお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)