紅葉も徐々に色づき更けゆく秋から、初冬への装いへ慌ただしく駆けめぐる。
そんな秋の一日、毎年の恒例行事として、立川マンドリンクラブから定期演奏会の案内を頂く。
演奏場所は立川市民会館であったが、ここ数年東大和の市民会館に変わってしまい、道不案内交通の便から、ついついさぼってしまったが、はじめてこの東大和のハミングホールに行ってみた。
会場前では既に行列、団塊の世代から、既に現役を退いた白髪組のオジサン、オバサン族の群れに混じって、開館前までの時間をならび、ほぼ中央の好位置の座席を確保できた。
暗いステージから、徐々に照明でライトアップされたマンドリンクラブの皆さんが、清楚な制服で統一された衣装で眩しく、ステージ一杯に現れる。
中央から左の部分は1stマンドリン、2ndマンドリン他マンドリン楽器のパートで右半分はギターで一番最後尾はコントラバスやパーカッションで固められ40数名の大演奏が目の前で始まる。
団員の構成はマンドリンは大半が女性、ギターは男性と固められているが、手にした楽器の持つ音色、特性から取りつかれた一つの傾向か、面白い。
この、目の前の大規模な構成から、マンドリンの持つ繊細な響きとギターの持つ、広い音域の響きが、見事に合成され、弦楽器のしなやかな響きに、幻想的な世界に運んでくれる。
中々この響きを言葉に言い表すのは難しいが、マンドリン・ギターを弾きながら、自分の音に酔いしれ、心酔される姿に生の音楽ならではの臨場感がたっぷり伝わってくる。
アナログからデジタルへ、スピーカや、イヤーホーンから増幅、加工された音楽も手軽に場所を選ばず手軽に何処でも聞けるようになった世界に、弦楽器の生の音はまた新鮮で音の原点に立ち返った感じさえする。
演奏会は世界視野で駆けめぐっているが今回はイタリア紀行編で「ベニスの一日」「英雄葬送曲」のクラシックから、イタリアを舞台に一時代を風靡したキャサリンヘップバーンの「旅情」など映画音楽など懐かしさを演出してくれた。
「心頭滅却」薄く目を閉じ、耳から入る旋律に気分はベニスの世界に運んでくれる。
蛇足ながら隣席のおやじ、始まるや否や完璧に寝ていたが、果たして子守歌になってしまったのであろうか(笑い)
2時間弱の演奏も、あっと言う間に終わってしまった。
マンドリンの持つ心地よい響きを耳に残しながら、会場を後に、まさに癒しの一時でもあった。
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