春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

華の銀座でOB会

2018-12-17 17:38:00 | イベント
普段、都心に出る機会も少なくなった田舎者が晴れて華の銀座へ向かう。
現役を離れ、組織から解き離され悠々自適の世界に浸りきっている。
収入の道も閉ざされ厳しいが、それほど背伸びしなければ何とか生きて居られる。
そんな中、毎年のOB会の案内を受ける。上位下達の縦の世界に、身を置きどうしてもそんな慣習が拭いきれず、フリーで向き合えないなど、色々の人種が華の銀座に約90人程集まる。
一等地にそれなりの会費を払い、街角の一杯飲み屋とは全く違う、旧態の雰囲気に敢えて飛び込まなければと思うが、昔の苦楽を共にした仲間と会えるなど、相反することで、葛藤しながらついつい行ってしまった。

閉居で悶々として居る毎日に、いきなり人ごみにに入ることに別世界へ飛び込むようなもので、もうおのぼりさんで既に疲れを感じる。
JRで有楽町駅で降車、首都高八重洲線の高架道を潜り、放射状の交差点越え銀座通りへ向かう。


銀座4用目で見覚えのある銀座三越の看板を前に銀座通りに出る。人ごみの中それぞれの方向に向かう銀ぶらを楽しんで居るようであるが、中国語始め、外国語が飛び交い、その異となる言葉が自然に渦に溶け込んでいる。
おや此処は日本なのだろうか、と思えるほど外個人で渦巻いている。恐らく観光客であろうか大きな話し声が、嫌でも耳に入り、異国に来た様な雰囲気でもある。
おのぼりさんは、大小様々なビル群が目に映り、個性的な姿を追っかける。


その中の一つ、ガラス張り、何階もある多層下された窓腰に整列したマネキンが高いところから、通行人を見下ろす姿が、どうしても目に入る。
各階層ごとに服装の種別ごとにきちんと等間隔に据えられた姿が、生きた人間のようで、どうしても引き寄せられるのは集客効果を狙い、流石これぞ銀座と思い知らせる。

◇宴会場


銀座六丁目交差点に目的地の銀座ライオンに辿りつく。
レンガ色の壁のビルに黄色地に黒でライオンをあしらった旗が窓際に多数、翳され、LION文字の表記で目的地に惑わずに到達し、ホットする。
早速、エレベータに乗って会場へ
白塗り内装に三角状にデザインされたガラス窓、天井から吊るされ装飾された電灯から柔らかい明かりで照らされる。一つ一つが手の込んだ豪華な装飾品の中、古風な歴史の重みを感じる雰囲気造りの会場に一役かっている。
流石一等地での佇まい、伝統と荘重な中で普段接することの出来ない空気に自然と高揚感が高まってくる。
◇会場では

宴会場のステージから、現役幹部からご挨拶、演壇に向き集まった衆の見事に風化した後頭部がまぶしく輝き、見事な白髪に時代の経過を物語る。
起伏のある経済環境の中、戦後の復興期にプラント建設の中枢を担う、頭脳となる制御設備を収め、あらゆる産業分野でメーカとして関わりを 持った企業戦士である。
現役幹部から型どおりの挨拶。
現況は、世の中の景気動向、環境変化に荒波に揉まれ、企業の盛衰を味わいながらも、培った技術を継続し、頑張っている状況報告に安堵させられる。
入れ代わり立ち代わり、この日のためにしたため、詰めておいた色々な塊を一機に解き放し語りたいのである、そんなあれこれに、周りを気にしない仁にいささか辟易もする。直立不動で待たされ、何時、杯かざされるのか気がかりになってくる。


「さあ~それも終わったぞ」まわりのテーブルに盛られたご馳走に皿と箸をセットに、一目散、一心不乱に餌の収拾に取りかかる。
周辺のテーブルに群れが生まれ、ご馳走との間を往復し、対話も控えめに一気に飲食に集中する。
ある程度腹に納まると、空腹の中、アルコールが効き出し、ホットな気分になり、アルコールの杯を片手に島巡りが始まる。
90人の中、長い間ブランクがあっても、顔認識から、かっての関わりを持った戦士に声をかけ、あるいは声をかけられ、無事健在を確かめ会う。
会場内にあちこちに群れが生まれ、会場内は自然にヒートアップするが、僅か1時間数十分余りで、あっと言う間に散開となる。
寄る年波に立食で負担もかかる仁もあり中身のない挨拶に完全に顔見せ興行である。
赤く染まった顔で、一斉にライオンから吐き出された爺さんたちがそれぞれ雑踏の中、帰路につく。
折角の華の銀座、何となくこのまま、閉居に戻るのも後ろ髪を引かれる。

近場に住むMさんと一緒に、現役時の職場環境から自慢の銀座通を便りに、かっては二次会で語り付けなかった話の延長戦を交わした。
そのMさん病魔に包まれ、豪快な呑みッ振りも嘘のように断ち、人がかわった ように養生していたようだが、今年のOB会を前にして、病魔に勝てず高い所に昇華されてしまった。(合掌)
「ちきしょう!!俺も行きたかったのに」と今頃悔やんでいるのではなかろうか、そんな相方もなく、寂しく、雑踏の中へ・・・。

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