保谷こもれびホールでミュージカルの公演。
東久留米こどもミュージカルの団員の一人の孫娘(小4)が晴れ舞台を飾る。
20数名の出演者、主役の高校生から下は小3までの女子集団である。
幼少時の人見知りであった、控えめの印象がどうしても被ってしまうが、
大きいお姉さんに混じって、ステージに立つ姿が、別人のように輝いて
見える。
元々歌が好きのようで、カラオケなどで、最近のヒットソングを唄い
まくり終わった直後に出る、高得点にのりのりである。
そんな素地はあるものの、厳しい訓練があり、ただ好きだけでのいい
加減な気持ちでは当然、付いて行けず自然と堕ちてしまう。
大半が年長者の中、この集団の中、自立の芽生え、からか、今のところ
挫折もせず、チームワークなど学びながら、付いていってるようである。
大きなステージのこもれびホールで、大量な観衆を前に果たして、
どんな姿で演じられるか身内の一人 として、ワクワク、ドキドキ
しながら会場に向かった。
余り、馴染みのない保谷。都心と郊外を結ぶ鉄道網であるが、
多摩地域と西東京と直接繋がらず、不便で、小刻みに3回の乗り
継ぎで漸く辿り着く。
保谷の丸いドーム状に天涯の窓がガラス張りのアカデミックな
建物がこもれびホールである。
ホールに一歩足を踏み入れると、高い天井の吹き抜け、その巨大
な空間に数本の柱と回廊のようなユッタリとした階段で2階に繋
がっているエントランスに迎えられる。
文化・芸術の催し物に触れ合える雰囲気に、自然と吸い込まれる
感覚である。
自由席のためホールには大勢のスタッフに誘導され、開門前に
行列で、暫く待つ。
開門され、メインホールに、観客席は緩やかな勾配がついており、
背もたれに座っている限り前の席に視界が隠れることはなく、
ステージを観ることが出来、観る側を配慮した席造りであった。
こんな立派なステージに、果たしてどんな姿で表れ、演じら
れるのであろうか、バックライトの影絵で、ステージの背後の
壁に、巨大な蔭になって映し出され、コーラスが流れ、印象的
な幕開けとなった。
<さて、その物語は>
一人ぼっち我が儘、交遊もなく、追い込み荒れる少女がピエロ人形
との出会いから、生まれ変わってゆく『ピエロ人形の詩』の感動物語。
幻想の世界に消え去るピエロを少女が追う、泣きさけぶ迫真の演技は
思わず吸い込まれてしまい、自然と涙腺も緩んでくる。
「すごいなあ~」と思いつつ、主役を演じる高校生の役者としての素地
もあろうが、そこまで仕立て上げるスタッフの総力が、見事にこの物語
を造り上げている。
何処に付けているのか判らない高性能のピンマイクで漏らさずセリフが
拾われ、ダイナミックに伝わってくる。そんな装備から、CASTは広い
ステージに留まらず、観客席まで自由に駆け回り、スポットライトを浴
びながらダイナミックに飛び込んでくる。
当日の公演は13:00と17:00の2回で、それぞれの役割を変えての登場であった。
肝心の姫の出番はアンサンブルで「妖精」と「くも」役で登場した。
2回目のステージではサッカー少年の役であったが、残念ながら観ることが
出来なかった。
舞台の脇からステージへ、アンサンブルで登場、仲間と一糸乱れぬ優雅な
「妖精」姿で踊り、唄いミュージカルの大事な一幕を飾っていた。
出幕は判っていたが、チームでの登場は同じユニホームに、厚化粧
であった為、当人の識別は時間がかかった。
当人とのステージ上の繋がりが生まれ、一挙主一投足に、集中する姿は
逞しくも、頼もしく、何時も接する姿とは遥か彼方の別人のようであった。
2時間弱の公演にその熱気・興奮が覚めやらぬままのざわめきの中、
メインホールから吐き出される。
外には役回りの集団単位で並び、唯一観客と向き合い面会出来る時である。
「あっ!!いたいた」くもの仲間に、この糞暑い最中、真っ黒のコートを
頭からすっぽり被り、激しい踊りの余韻に汗びっしょりのようであった。
背中には大きなくもの足を背負い、くもに変身していた。、
会場には出演者の顔写真と来客に対する感謝のメーセージが書いてあった。
2度目の公演に役回りも、徐々に重く、晴れ舞台のデビューを前に
本人の率直に身構え、立ち向かってゆく意志も書いている。
集団の中に群れながら、当人の楽しんでいる様子と心ゆきに、安心して
育っているなあ~と、見納めたっぷりと、晴れ姿のお土産を貰い
「こもれびホール」を後にする。
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