「子をもつ幸せには金銀宝石もおよばない」という歌が万葉集にあるそうである。
晴れ着を着て、危なっかしい足どりでよちよち歩きで祭壇に向き合い。成長を祝うたびに可愛い子からやがて美しい娘になってゆく。
そんな至福の時を迎え、親はもとより、じじばばも主役の娘、孫の成長の姿に驚き、喜びを感じる大事な節目なのである。
横浜生まれ育ち、つまり浜っ子の孫が7歳になり、七五三のお参りをJR桜木町駅から山側の「伊勢山皇大神宮」でおこなった。
高台の多い横浜もその一つ駅から紅葉坂を登った所にあり、「横浜総鎮守」また「関東のお伊勢さま」の名称で親しまれ、人気の高い神社である
当日は何と言う、巡り合わせか、横浜はAPECの会議が行われ、周辺の道路、海、建物は物凄い警戒振りで、そんな異常事態の中での式であった。
折しも、中国との尖閣諸島やロシアとのクナシリ・エトロフなど帰属問題など同時多発的に起きた外交問題で揺さぶられる日本政府。そんな背景の中で横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC)でが開かれ、刺々しい雰囲気の中で要人を迎える。
横浜開港で街の発展を遂げた今、揺れ動く外交の渦の中、皮肉にも全国から大量な警備車両と人員が動員されるら厳戒体制が敷かれる七五三の日になってしまった。
尖閣諸島で起きた生々しい映像が流出し、火種を生み大騒ぎの渦中にある海上保安部、その組織下の一つ第三管区海上保安本部には大量の警備艇が係留され、更に近くの空き地には警備用の大量のバスが並んでいる。屋根には派遣先を示す、大阪、兵庫など全国から動員された様子が手に取るように見える。
ミナトミライの道路ではあちこちに車両検問のゲートでたちまち渋滞の渦。
街の中、ホテルの玄関、桜木町駅改札、人の渦も寸分も見過ごさないと監視、監視の警察の目、すっかり、夜の闇に包まれていたが、はるばる熊本から動員された警官の姿が国を挙げて、APECを支えている。
こんな厳戒体制と大騒ぎのマスコミ報道、中華街や繁華街も軒並みに客足が落ちたと言われている。そもそもAPEC,とは「アジア経済協力会議」で何が"経済協力"か笑ってしまうが、当事者はとんだ迷惑。最盛期には21000名の警備要員が大量動員され、国費が使われる
この晴れの日、本来なら車で伊勢山皇大神宮に向かうつもりが利用できず、長い道のりを歩行行脚を強いられる。
桜木町駅から、急な紅葉坂を越えて、一歩路地に入るとゆるやかな坂、最後は階段を登り切り伊勢山皇大神宮の門前に出る。
洋服姿のでも大変長い遠い道のりを振袖にかかえ帯、胸元に筥迫(箱型の紙入れ)を入れ、白足袋に草履姿の、慣れない草履は大変な難行苦行である。中には長い道に、たまり兼ね親が抱えて神社に向かう姿も見受けられた。
そんなカリン姫も頑張ったが、途中では着物の裾に隠れて普段履き慣れた運動靴で履き替え、神社近くでは再び 草履を使うと言う荒技で何とか神宮にたどり着いた。タクシーも利用出来ず、APECが恨めしかった。
ハイポーズ、神社前で記念写真、多少緊張顔であったが、すっかりおねえさんになった晴れ姿であった。七歳の大事な節目大量な保護者を伴った他の七五三と一緒に神前の前で厳かに祈祷が行われた。ごった返す神殿前は自慢の娘、息子のファッションショー、あの厳戒体制から離れ、ここだけは晴れやかな式の平和な世界であった。
当日の厳戒の横浜と七五三の姿は以下で作成した。
厳戒の横浜で「七五三」
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