春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

巨大な爪が逞しく見える

2010-07-11 10:38:00 | こんな鉄道もあるぞ~

横川では極めて険しい山岳路を克服した鉄道遺構をわくわくしながら確かめる事が出来る。
我が国のアブト式鉄道として明治26年信越本線の標高386mの横川と939mの軽井沢との間を勾配66.7パーミルで上り下りする11.2kmが開通した。当初はアプト式蒸気機関車を使用したが、明治45年電化されアブト式電機機関車に置き変わった。
ED421アブト式電機機関車は昭和9年日立製作所で製作され、昭和38年アブト式線路が撤去するまで、第一線で活躍した。(写真はED429)
列車は3両を横川寄りに、1両を軽井沢寄りにつけ列車を挟み合計4両で牽引していた。
最大運転速度は粘着区間が25㎞/H、ラック区間が18㎞/Hとマラソンランナーより遅く、自転車並の速度、で走っていた。


レールの中央にはラックレール(歯軌条)が敷かれ、車両のピニオン(歯車動輪)をかみ合わせて急勾配を走行する。2~3枚のラックレールを少しずつずらして配置し、常に歯のどれかが車両の歯車とかみ合ってけんいん力やブレーキ力を高めている。
ラックレールの特殊な構造は破損などによる事故も多く、1晩に1人、2回)4人で8回)の「夜間特別巡検」が行なわれた。発雷信号、合図灯、大時計など持ちながらの夜の巡回は人里離れた山の中だけに胆力が必要で会ったという。
アプトの導入区間はエントランスと言われ、機関車がこの区間さしかかると最新の注意を払って進入した。当初は確認のため専用のエントランス要員も用意されていた。

車両の下部にはご覧の通り、鋭い爪のピニオン(歯車動輪)がある。機関車には電動機が3個あって、2個は動輪を回転させ、中央の1個がラックモータと呼ばれこれを使って歯車を回転させ、急勾配の推進力となっている。
巨大な爪が逞しく、迫ってくる様子は山岳車両の逞しい姿を見る様であった。
そんな路線も確かめる間もなく、新幹線があっと言う間に越えてしまっている。
66.7パーミルの挑戦

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