575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

この本にカバーを掛けますか

2006年08月25日 | Weblog
丸善のレジでそう尋ねられました。いつもならお断りするのに、今回ばかりは「おねがいします」
人前で広げるのが少々気がひけるからです。「悪党芭蕉」。

先週の、「路通についてご教示ください」に、愚足氏からこの本のことを知らされました。
これが、なかなかの面白さ。数知れず掘り返されている評伝や、研究書のなかで、最異色。
悪党としての、数々をあげつらいながら、底辺にある温かさや、甘やかさがいい。

たしかに問題児は多い。中でも杜国と路通。門下内の軋轢の火種になる路通。万菊丸の名で師と「笈の小文」の道行きを楽しんだ杜国。
杜国は水もしたたる美青年であったというが、路通も情報は少ないが、美しい乞食さんではなかったでしょうか。三井寺の小姓だったともいうし。

美形が好きなことは、罪ではない。事は美しいにかぎります。

  芦の穂やまねく哀れよちるあはれ   路通

寄り道は止めて、「悪党芭蕉」を真剣に読むことにします。やっぱり俳聖として。

                                鳥野
コメント (2)
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