題詠「踊り」
ねむさうな月ある浜の盆踊り(變足)○○○○○○○
相聞歌踊る網笠深くして(亜子)○
踊り手の笠は七難かくしをり(龍)○○○○
櫓も輪もオバンばかりの踊りかな(立雄)
盆踊り明けて広場のラムネかな(愚足)○
下駄の音一斉に止む郡上のな(朱露)○○○○○
免状を宿屋に貰う阿波踊(静荷)○
踊り子のうなじの白きおわらかな(能登)○○
盆踊ひとふりおくれ小さき手(晴)○○○○○○○○○○
踊りの輪ひろがりやがて月一輪(遅足)○○
異次元の扉が開く盆踊り(麗子)○○
唄い手の声遠雷のよう盆の夜(童子)○
不器用な踊り手もいる村の盆(鳥野)○○
ひょっとこを踊る背(そびら)や秋簾(ほたる)○○○
あやかしの影たはむれて盆おどり(郁子)○○
自由題
楽しくも切なくもあり盆の郷(童子)○
八月や不孝を詫びる兵の遺書(亜子)○○○○
犬じゃれて逝くせみ息を吹きかえす(郁子)○○○○
秋暑し土手かけぬける救急車(晴)○○○○
ケルン背に端の笑顔よ初盆会(立雄)○○○○
キッチンの灯を入れをんな家となる(遅足)○○○○
静けさや庭に残りし花火殻(ほたる)○
滝水に祈る老婆や原爆忌(變足)○○
差し手真似踊る幼なの逆まわり(静荷)
語り部の庭ひまわりの重く垂れ(愚足)○○○○○○○
空蝉の夢は大空翔けること(龍)○○
膝裏のまず暗みゆく秋日暮れ(鳥野)○○○○○
寂しさを切り裂きジャック百舌猛る(朱露)○○
白樺の木漏れ日優し八ヶ岳(麗子)
空蝉やぷっつり静かな一分間(能登)○○○
番外
鰻の日捌くは丑という男(變足)
鰻焼く奥行寝床のやうな店(變足)
そうめんの踊ってびっくり水に遭う(遅足)
輪を抜けて遠くに聞きし踊り唄(愚足)
次回は9月20日(水) 午後6時 安田屋。
題詠の一句は「里芋」です。
(遅足)