★俳句ブログをサーフィンしていたら「斎藤百鬼の俳句閑日」に忌日について面白い記事があったので一部を紹介したい。
http://blog.goo.ne.jp/kojirou0814/e/e280f6ef6de75b03216ab5bd9cd111a6
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阿部次郎にこんな句がある。
残飯でゲーテ日過ごす野分かな
ゲーテは1832年の1月29日に没した。冬季だ。
阿部次郎はゲーテ日として詠んでいる。
野分は秋季。食い違いがあるが、実は誕生日なのだそうだ。ゲーテは8月20日生まれ。
忌日ではなく誕生日というのが面白い。阿部はどうも誕生日を季語とする推進論者だったらしい。
<俳句の季題には忌ありて誕生日なし、誕生日は両陛下の天長地久両説あるのみ。死者の誕生日は年中行事より姿を消し去るを常とする。されど偉人の生涯に於いて記念すべきは豈その物故の日に限らむや寧ろ世界が其人を所有するに至りたる誕生日こそ永久に記念すべきなれ。故にゲーテ日という新語を製造してこれに季感を持たしめんとす>
しかしこれは馴染まないかもしれない。日本には棺を蓋いて後定まるという格言もあるように忌日を重くみる。誕生日は軽い。
変った俳人では自分の忌日を詠んでしまった人もいる。
経は知らず鐘で成仏三充忌 中野三充
まるで生前葬儀みたいなものだが、この人はどういう人かよくわからない。