575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

黒パラソルの怪   鳥野

2009年05月05日 | Weblog
 ♪ 卯の花のにおう垣根にほととぎす早も来啼きて、忍び音もらす夏は来ぬ・・・佐々木信綱

そんな情緒には遠いけれど、今日5日は立夏。陽光も強くなり、すでに酷暑の兆しありありです。

こうなると、急に増殖をはじめるのが、黒いパラソル。有害紫外線を避けるのに卓効ありということで、ご婦人方がご愛用です。

夏の傘といえばかつては、絵日傘、あるいは爽やかな素材と色使いで、涼感を誘うものでした。

 ・ 鈴の音のかすかにひゞく日傘かな  飯田蛇笏

 ・ パラソルの陽の香たためる残像の人と対へり朱夏の茶房に  大塚寅彦

それが、今日この頃はいけません。まるで黒い水母が浮遊するさま。これを健康第一の風物詩というのでしょうか。

  ・ 暑さ来て増殖しはじめる黒日傘その翳のひと美しきやな  鳥野
コメント
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