575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ラショウモンカヅラ(羅生門蔓)      草女

2009年06月19日 | Weblog
 いかにも曰くありげな名前のこの花に初めて会ったのは上高地である。6月初
め上高地では様々な花を見るとことができる。 大正池から河童橋、河童橋から
明神池、高くてコーヒーすら飲めない帝国ホテル周辺など、地面を少し注意してみれば、たくさんの花にあえる。河童橋から明神池まで行かれるなら右岸の砂利道がお勧めである。

 ラショウモンカズラはどこにでもあるが、田代橋のトイレ付近に群生している。 花の茎20~30cmなのに花が10個近くも付く。花の長さ(シソ科なので筒状)が4~5cmもあり、豪華でもあるがアンバランスな感じをうける。この長い花を羅生門で渡辺綱切り落とされた鬼の腕(肘から下)になぞらえての名前。

 昔父親からきかされた話を思い出す、京の都では夜な夜な鬼が出て人々を苦しめていたのを源頼光の家来の渡辺綱が退治することになったが、鬼も強くて彼は鬼の腕を切り落とすことができただけ。鬼は乳母に化け、綱から腕を取り戻すとたからかに大江山にかえっていった。そこから源頼光の鬼退治の話につながる。

 シソ科には他にも花の筒が長いものがおおくある。でもこのラショウモンカズラは異様に花が大きい。それを鬼の腕に見立て、婉曲に羅生門と言っているのがいかにも憎い。

コメント
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