575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原俳句教室「梅雨」    遅足

2009年06月13日 | Weblog
先日の教室、もう一句は「梅雨」でした。

   

下ろし立ての礼服を着て梅雨の通夜  狗子 

先生のコメント
亡くなった方が、とても親しいわけでもなく、
といって、そんなに遠い関係でもない。
そんな微妙な距離感がうまく捉えられている句。
日常のなかで、ちょっとひっかかることを
上手く掬いあげた句。
一種のユーモアのようなものも感じられる。


釣糸のまきつく空は梅雨曇  晴代

先生のコメント
梅雨曇りの空は、釣糸のまきついた空、
という意味の語順。それよりも

釣糸の空にまきつく梅雨曇

として、釣糸の空にまきついたような空。
そんな梅雨曇の空に出会った、
と素直に描いたほうが良いのでは。


助手席に黙ある梅雨の走りかな   遅足

先生のコメント
梅雨の走り、が、梅雨のなかを車で走っているのか?
走り梅雨、なのか?はっきりさせた方が良い。
「黙ある」を「黙が続く」にしたら。 


人間に浮力の記憶梅雨きざす  遅足

先生のコメント
科学的な知識を下敷きにつくるのは良いが、
浮力と水という取り合わせより、
もっと飛躍させたほうが良い。
夏の終わりの空のような季語を
取り合わせると面白くなるのでは。
(狗子さんは水中出産かと思ったとか。)

   
  
また、魔法のような添削がありました。


樹齢千年大楠のまとふ梅雨湿り   Tさん

大楠は樹齢千年梅雨まとふ






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目が覚めて憂い顔やめ桜桃忌   朱露

2009年06月13日 | Weblog

      高校の頃太宰治で夜も日も明けず・・・
      昭和23年6月19日玉川上水で自殺。
      大先輩に心中されてはどうにもならぬ。
      「頬杖の憂い顔」を見るのも嫌になる。

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