575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

サビタの花         鳥野

2009年06月16日 | Weblog
「あれはサビタの花ですよ」 宿の女将は、山裾に残雪のように見える花群れを指して、説明してくれました。

サビタの花、なんという叙情的な名。思い出すのは、アイヌのメノコと和人の悲恋の歌、そして原田康子の挽歌。

ところが、この花。またの名は「糊空木」。日本中のどこにでも自生し、樹皮の粘性が製紙用の糊に利用されてきました。

糊空木、ノリノ木、サビタ、同じ花なのに、こんなにも印象の異なる呼び名。

 ♪ たれを待つのかメノコの胸に悲しく咲いたサビタの花よ・・・

先日の草女さんのBLOG投稿からの連想です。
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6月句会の投句が集まりました。  遅足

2009年06月16日 | Weblog
梅雨に入ったものの、雨はほとんど降りません。
梅気象台が、雨入りを発表したら、
天気が続くには毎年のことのようです。


題詠「六月」

①父の日や水無月の菜食卓に
②水無月や飛行機雲の崩れ行き
③六月や園児の腕に雨重し
④六月の湧き水眩し和紙の里
⑤六月の死は重く空に漂う
⑥六月の穴があくびを噛み殺す
⑦六月やアザラシのただ周遊す
⑧水無月やアクアマリンの恋をして
⑨六月や空気の読めぬ人とゐて
⑩六月予行演習する幽霊
⑪六月やよくぞここまで生きてをり
⑫水無月の波紋ひろがる恋心


自由題

①切れそうで切れぬ現世の蜘蛛の糸
②川べりに咲くくちなしの白さかな
③帰り途しばしを月のあじさいと
④胸元にターコイズの青夏来る
⑤部活動声かすれあり夕葵
⑥蛙の子天から降って水無月来
⑦五月雨に風鈴を聴く夜明けかな
⑧今日傘いる?聞くのが日課かたつむり
⑨つくばひや天蓋余る雲の峰
⑩梅花藻の咲きたる村に天女住む
⑪出口なき記事の溢れる梅雨の入り
⑫昭和の灯夜店のお化屋敷かな

番外  六月や金魚の墓を立てにけり





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