575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

行く年や亡くした髪の数知れず   朱露

2009年12月25日 | Weblog

    去年まで意識に上らなかった抜け毛の件。
    白いだけではなくその細さがそぞろ哀れ。
    黒くて太かった昔はその自覚がなかった。
    あと何年抜け毛が保つかという変な心配。

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リンボク         草女

2009年12月25日 | Weblog
 つやのある濃い緑色、葉の縁が波打っている。「これなに?」と問われた。常緑で波打つ葉といえばソヨゴだが、葉の形状が違う。私はこの木を知っているのに。名前がでてこない。

 「バラ科で秋に咲く。常緑のサクラ、5~8cmの穂状の花を上向きにつける、
ウワミズザクラに似ている。松尾池で花をみたよ.」名前がでてこないには、私だけではないようだ。そのとき、私は花の様子も、木の様子も図鑑の写真までも思い出していた。ただ名前の部分だけ思い出すことができなかった。大変妙な気分であったが、如何ともしがたい。

 其の夜、森の仲間の忘年会であった。何気ない会話のなかで、突然でてきた「リ
ンボク」そうそうと相槌を打つ仲間たち。この木はサクラ属の中でも、異色で、常緑であり9月頃から花をつける。博打の木という一度聞いたら忘れない名前の木(樹皮が次々に剥がれおちるのを博打に負けて身ぐるみはがれるのにたとえた)と同じ仲間である。
 しかし、そんな木知る人は少ない。リンボクという響きが以前からひっかかていた。訳が分かったのはネットでリンボクを検索したおかげ、「古代生物のリンボクと現生生物のリンボク」という説明があったからだ。それは、姉が大切にしていた本の挿絵に巨大なシダのようなリンボクの根元にステゴザウルスが群れているのを鮮やかに思い出したからだ。古代生物と同じ名前というこがはっきりしていた訳ではないが、長い間何か変と思い続けたしこりが氷解した。
ただ、古代生物のリンボクは鱗木と書きその樹皮は確かに鱗である。現生生物の漢字名は私が使っている漢語辞典(岩波)には載っていなく、山渓の図鑑には名前の由来として「若い木の葉がヒイラギに似ていることから、ヒイラギカシの別名があ
る。」とあり、全く疑問に答えがでない。

 このようにして、リンボク想起の混乱で今年は終わろうとし、来る年の迷走を予感させている。

     鱗木という古代樹ありて去年今年     
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