575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

北前船ふところに抱く春社 ~室津・賀茂神社~  能登

2010年02月27日 | Weblog
 播磨風土記にも登場する古代からの良港・室津、
瀬戸内海を航行するほとんどの船が立ち寄った
という港町を訪れた。
 町は細い路地が複雑に入り組んでいて、車社会
には恐ろしく不便なところである。港の水域も
予想外に狭い。ただ、その開口部が播磨灘に向
かって直線的に開いてはいない。90度折れ曲
がって開いている。このため、古代から有数の
風待ち港として利用されてきた。その播磨灘に
向けて築かれた天然の防波堤の役割を為すのは、
港の南側に位置する小高い丘のような小さな半
島である。たぶん沖を行く船にとってこの丘
自体が大事な目印だったに違いない。
 こんな場合、丘自体が信仰の対象になる。
案の定、丘には神社があった。賀茂神社という。
登ってみて驚いた。桧皮葺の壮大な社殿が何の
てらいもなくひっそりと建っていた。
 港町の規模とこの社の規模では全く釣り合いが
取れないではないか。傍らの案内板によると平
安時代後期からこの規模の社がこの地にあった
らしい。また、シーボルトもここを訪れていて、
随伴した絵師に社殿の様子を描かせたという絵
の模写も掲示してあった。
 さらに驚いたのは、突然訪れた我々を見つけて、
手伝いのおばさんが番茶をふるまってくれたこ
と。そして極めつけは、その朝、赤ちゃんの初
詣りのための氏子の家族の登場であった。
この神社が今もしっかりと室津の氏子と繋がっ
ていることの証であった。
 写真の右の小さな丘の中に、予想外に壮大
な賀茂神社が座す。
                    能登
コメント (1)
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蛤が家剥がされる痛みかな   朱露

2010年02月27日 | Weblog


      浅蜊では物が小さいし蚫は屋根だけだ。
      栄螺は排他的だが蛤様には気品が漂う。
      マルスダレカイ科の二枚貝という豪邸。
      むき身・葱・焼き豆腐の「蛤鍋」で酒。

コメント (2)
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