575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雲が馬のやうで夢のやうなひるで   橋本健三

2013年07月22日 | Weblog
山頭火が知多半島の内海で訪れたのが橋本健三。
この時、健三は27歳。山頭火57歳。
親子ほど歳の差のある二人でしたが、共に酒豪。
年齢を越えた交流があったのでしょう。

  まくらならべて二人きりの波音  山頭火

夜遅くまで飲み明かして、ごろりと寝てしまった二人。
山頭火は当時の健三のことについて、こんな風に句に残しています。

  ひとり兎を飼うてひつそり

健三は大正元年生れ。
家は薬の製造販売をしていました。
早くから自由俳句をつくっています。

  をさなくて雨をてにうけてゐる

  大きな山が夜へすわってゐる裾を汽車が通る

  手にはさらさらとむかしのすなの山になる

  月のなかで蹴ってゐた思想のごむまり

健三には詩集「若年」があります。
そのなかの「河面」という詩です。

  なにすれば橋に倚り
  河面眺めてもの思うものぞ
  雨はいっさんに河へと跳び
  河はしずかにも雨をながす

俳句も詩も若者らしいの抒情詩ですね。      遅足

コメント
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