575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

噴水はさみしき水のシュレッダー   掛井広通 

2013年07月12日 | Weblog
噴水をシュレッダーに見立てた句です。
ペーパー・シュレッダーは、書類などの紙を捨てる際、
プライバシーの保護や、情報が洩れるのを防ぐために
細かく裁断する機械。。
A4サイズの紙ならば、1300片になるそうです。
水も噴水によって粉々に裁断されていく。
ただの水ではなく「さみしい」水。

人間の約七割は水であり、私自身さみしき水なのかもしれません。
ある日の私を粉々に裁断・・・。
水ならば、またひとつに。人間の場合はどうなんでしょう?
存在のさみしさは、一時、消えてもまた元に戻ってしまう?
 
作者は、句集「さみしき水」のあとがきで、こう書いています。

  水は変幻自在。方円の器に従うとも。
  私はさみしい水のような存在。
  その私をシュレッダーにかけてしまえば・・・
  さみしさを無くすことが出来るだろうか?
  いや、このさみしさは生来のもの。

人間はさみしい存在だから、愛があるとしたら、
作者は、愛を求めているのでしょうか・・・     遅足
コメント
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