句集「六億本の回転する曲がった棒」のなかの「介護」と題する
70句あまりの連作の最初の句です。
以下、いくつかを拾ってみます。
水含ますのみ救急処置室に放り置かれ
便始末されゐて夏がかなしかろう
病室はどつとにほへり秋の暮
世話しぬけば枯木がア・リ・ガ・タ・フと言ふ
氷より冷たき額撫でにけり
人死ねば書類の多さ十二月
抱えて遺骨の祖母燥(はしゃ)ぎつつバスを待つ春
作者の関悦史さんは、1969年生れ。
5歳から祖母に育てられた関さんは、一人で介護にあたったとのこと。
この死別を経て、それまでの句が平板に感じられたと書いています。
この他の多くの句は、私には鑑賞不能ですが、なかにはこんな句も。
液晶のゼロ整列し年明くる
春の雨踏まん艶(なま)めくレジ袋
介護の句には季語のないものもありますが、
違和感はまったくありませんでした。 遅足
70句あまりの連作の最初の句です。
以下、いくつかを拾ってみます。
水含ますのみ救急処置室に放り置かれ
便始末されゐて夏がかなしかろう
病室はどつとにほへり秋の暮
世話しぬけば枯木がア・リ・ガ・タ・フと言ふ
氷より冷たき額撫でにけり
人死ねば書類の多さ十二月
抱えて遺骨の祖母燥(はしゃ)ぎつつバスを待つ春
作者の関悦史さんは、1969年生れ。
5歳から祖母に育てられた関さんは、一人で介護にあたったとのこと。
この死別を経て、それまでの句が平板に感じられたと書いています。
この他の多くの句は、私には鑑賞不能ですが、なかにはこんな句も。
液晶のゼロ整列し年明くる
春の雨踏まん艶(なま)めくレジ袋
介護の句には季語のないものもありますが、
違和感はまったくありませんでした。 遅足