575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

おすすめ桜   麗

2014年03月27日 | Weblog
みなさんそれぞれに毎年会いたくなる桜の木があると思います。私の実家には樹齢60年くらいの桜の木があり毎年母は桜が咲くのをとても楽しみにしています。家族の歴史をだまってみてくれた一本の桜の木。母は何かあると桜の木の下で祈っているようです。

さて、今日は私のとっておきの桜をご紹介したいと思います。お花見に京都にお出かけになる方も多いと思いますが今日は奈良の東大寺の桜です。もちろん広い境内にはこれぞ古の都にふさわしい堂々とした桜もありますが、私がおすすめするのは東大寺の南大門を入ってすぐ右側にある東大寺本坊のふすま絵の桜です。

毎年、春の限られた時期にしか公開されておらず、今年は4月11日金曜日から13日日曜日までの3日間です。おととし87才で亡くなった日本画家の小泉淳作さんが晩年5年もの歳月を費やして渾身の力をこめて描かれた力作で、「桜」と蓮を中心とする40面にもおよぶ襖絵が公開されます。

本坊のお庭にはふすま絵のモデルとなったしだれ桜もありそのしだれ桜の膨大な花びらを一枚一枚丹念に描いたふすま絵は庭のしだれ桜は実物のしだれ桜と見事に調和し圧倒されます。吉野の桜を描いたふすま絵も見事。また蓮池のふすま絵も、本当に蓮の花がさいているかのような生命感あふれる存在感です。気の遠くなるような作業を黙々と続け2010年に描ききって東大寺に奉納されました。

東大寺の教えの華厳経のとく世界観を豊かな色彩で描ききった小泉淳作の遺作ともなったこれらのふすま絵。古都奈良の名刹の中で自然と芸術の見事な調和を見せてくれます。
私は3年前に行って感動しまた行きたいと思っているところです。

ぜひ多くの方にご覧頂きたい東大寺本坊襖絵の一般公開。この時期しか公開されない貴重な聖武天皇・光明皇后御影や展示物もありますのでぜひ満開の桜のもとよかったらお出かけ下さい。

            古の都はおぼろ東大寺   麗
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