思わぬ雨となった昨日の句会。お題は新元号発表にちなんで「令和」あるいは「落花」でした。
幸泉さんが初めて句会に顔を出して下さいました。また、竹葉さんからの初めての投句もありました。どうぞよろしくお願いいたします。
ではどこよりも早い「令和」句会。一言講評です。
題詠「令和」あるいは「落花」
①飛花落花荘川桜は白の闇
光を遮るような見事な落花。白でも闇を感じます。荘川桜との取り合わせが絶妙。
②日記帳令和の文字を書いてみる
その日の日記に「令和」と言う文字を初めて書いてみました。書くと言う行為に共感を感じるという声がありました。
③木々芽吹き「令和」時代へ進水す
次の天皇陛下は水の研究をされているということで敢えて「進水」という船出の言葉を選ばれました。季語もきちんと盛り込まれました。
④指先に「令和」平和の蕾なり
令和発表の時、手話通訳の方の手が蕾が花咲くように動いたとのこと。令和という平和の蕾が咲きますように。
⑤令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴
発表の頃、なごやかに花見の宴が開かれていました。「令しむべし」に何かありそう?
⑥舌頭千転ら行新元号
元号に「ら行」が選ばれました。何度も口にしてみました。芭蕉のことば「句ととのはずんば舌頭に千転せよ」からの巧妙な一句。
⑦戦なき令和の世なれ草青む
戦争のない時代を切実に願う作者の一句。一旦戦争になれば「草青む」どころではなくなるのですから。
⑧人もはやをらぬ地球の花吹雪
人類の絶滅を暗示するかのようなSF映画のような一句。人はいなくなっても桜は舞います。花見の後の静けさと詠んだ方も。
⑨空見上げ令和とともに桜咲く
元号の変遷と桜の開花を同期させました。まだかまだかとそわそわと落ち着かない感じも似ていました。
⑩父の忌のかなしさを解く落花かな
満開の桜のなんとも言えない息苦しさも、落花で少しほぐれます。亡き父上様は桜の季節に亡くなられたそうです。
⑪落花せし幹黒々と風に立つ
満開の時は花にばかり目が行きますが、桜の幹は本当に黒いです。新緑のエネルギーを秘めて風に立っています。
⑫花の塵築地のつづく札所かな
「つきじ」ではありません。「「ついじ」です。失礼しました。土塀の続く重要文化財のお寺。「花の塵」も素敵な季語ですね。
⑬潭月や落花流水都落ち
平家物語を彷彿とさせる一句。水面に映る月に桜の花が流れ落ちていきます。「都落ち」がやや?
⑭百ニ歳令和記憶し安堵の春
四つの時代をお元気にお過ごしです。令和と記憶し、一同安堵します。
⑮ほのぼのと咲く花のよう新令和
やさしい調べの一句。「新」が惜しい!
いかがでしたでしょうか?
新しい時代が平和で穏やかでありますように。今日伊勢神宮は両陛下が退位のご挨拶に。本当にお疲れさまでございました。
自由題では狗子さんの
花冷えや駅弁の紐うすみどり
が圧勝でした。豊橋の駅弁食べたくなりました。
次回は5月15日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階
題詠は「蛙」です。どんな鳴き声が聞こえるでしょうか?麗