575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

落花の中の令和句会   麗

2019年04月18日 | Weblog

思わぬ雨となった昨日の句会。お題は新元号発表にちなんで「令和」あるいは「落花」でした。

幸泉さんが初めて句会に顔を出して下さいました。また、竹葉さんからの初めての投句もありました。どうぞよろしくお願いいたします。

ではどこよりも早い「令和」句会。一言講評です。

 

題詠「令和」あるいは「落花」

①飛花落花荘川桜は白の闇

光を遮るような見事な落花。白でも闇を感じます。荘川桜との取り合わせが絶妙。

②日記帳令和の文字を書いてみる

その日の日記に「令和」と言う文字を初めて書いてみました。書くと言う行為に共感を感じるという声がありました。

③木々芽吹き「令和」時代へ進水す

次の天皇陛下は水の研究をされているということで敢えて「進水」という船出の言葉を選ばれました。季語もきちんと盛り込まれました。

④指先に「令和」平和の蕾なり

令和発表の時、手話通訳の方の手が蕾が花咲くように動いたとのこと。令和という平和の蕾が咲きますように。

⑤令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴

発表の頃、なごやかに花見の宴が開かれていました。「令しむべし」に何かありそう?

⑥舌頭千転ら行新元号

元号に「ら行」が選ばれました。何度も口にしてみました。芭蕉のことば「句ととのはずんば舌頭に千転せよ」からの巧妙な一句。

⑦戦なき令和の世なれ草青む

戦争のない時代を切実に願う作者の一句。一旦戦争になれば「草青む」どころではなくなるのですから。

⑧人もはやをらぬ地球の花吹雪

人類の絶滅を暗示するかのようなSF映画のような一句。人はいなくなっても桜は舞います。花見の後の静けさと詠んだ方も。

⑨空見上げ令和とともに桜咲く

元号の変遷と桜の開花を同期させました。まだかまだかとそわそわと落ち着かない感じも似ていました。

⑩父の忌のかなしさを解く落花かな

満開の桜のなんとも言えない息苦しさも、落花で少しほぐれます。亡き父上様は桜の季節に亡くなられたそうです。

⑪落花せし幹黒々と風に立つ

満開の時は花にばかり目が行きますが、桜の幹は本当に黒いです。新緑のエネルギーを秘めて風に立っています。

⑫花の塵築地のつづく札所かな

「つきじ」ではありません。「「ついじ」です。失礼しました。土塀の続く重要文化財のお寺。「花の塵」も素敵な季語ですね。

⑬潭月や落花流水都落ち

平家物語を彷彿とさせる一句。水面に映る月に桜の花が流れ落ちていきます。「都落ち」がやや?

⑭百ニ歳令和記憶し安堵の春

四つの時代をお元気にお過ごしです。令和と記憶し、一同安堵します。

⑮ほのぼのと咲く花のよう新令和

やさしい調べの一句。「新」が惜しい!

 

いかがでしたでしょうか?

新しい時代が平和で穏やかでありますように。今日伊勢神宮は両陛下が退位のご挨拶に。本当にお疲れさまでございました。

自由題では狗子さんの

     花冷えや駅弁の紐うすみどり

が圧勝でした。豊橋の駅弁食べたくなりました。

次回は5月15日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階

題詠は「蛙」です。どんな鳴き声が聞こえるでしょうか?麗

 

コメント
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