575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

水底に黄泉(よみ)の入口亀鳴けり  亜子

2019年04月05日 | Weblog

黄泉に繋がる穴。宗教や伝説における架空の話に思えます。
しかしブラックホールやワームホールなど未知の穴が存在することが
最新の研究であきらかになってきました。
そして事象の水平線を超えると、光や時間すら存在しない異空間。
亀が鳴きました。水底<みなそこ>の小さな穴。
その穴は黄泉へと繋がる入り口。
兎を追いかけ穴に入る「不思議の国のアリス」を彷彿とさせます。
絵本の冒頭といった感、と殿様。

すばらしい読みですね。
亀が鳴く。この季語から発想をどう飛ばすのか?
その模範解答のような句だと思いました。(遅足)

  水底の浄土見にゆく鳰  堀正男

  亀鳴くや黄泉は何処と問はれたる  池田栄子

  曼珠沙華黄泉のとば口此処にあり  高澤良一

  かの蛍黄泉を往き来の舞ひぐあひ  橋本榮治

黄泉の国は案外、身近なところにあるようですね。


コメント
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