今年1月27日、愛知県の愛西市文化会館で開かれたイベントに合わせて
「 津島天王祭屏風 」が複製品ながら公開され、見に行って来ました 。
愛知県津島市の津島神社に伝わるお祭りの模様を描いた江戸時代の屏風絵です 。
本物は大英博物館の所蔵になっていますが、この程、日本の 「綴 ( つづり )
プロジェクト」が最新のデジタル技術を駆使して製作 。
平成30年 、津島市と愛西市に寄贈されています。
八曲一双 ( 八面で構成された屏風が一組になっているもの ) 。
縦 1・5メートル 横 4・7メートル 。時々、公開されますが、いつでも見られるもの
ではありません。
現在、同種の屏風絵は大英博物館のほか、ギメ国立東洋美術館 ( 仏 )、名古屋市博物館 、
徳川美術館、個人蔵など国内外で8点が確認されているそうです 。
ある専門家の話では、大きなお屋敷のある旧家も少なくなり、最近の住宅事情から屏風
を手放す人もあって、画商を通じて今も大きな屏風が海外へ流出しているようです。
ところで、最近の複製技術はめざましいものがあり、クローン人間ならぬクローン文化財
という新しい造語が生まれています 。
東京芸大のチームが開発した文化財の超高精細の複製品 。
最新のデジタル技術を取り入れ2017年にはこのクローン文化財の展覧会が開かれています。
最近、テレビでも紹介されましたが、例えばゴッホの油絵の微妙な凹凸まで立体的にリアル
に再現されています 。
「綴プロジェクト」( キヤノンと京都文化協会 ) も同じように、
文化財の高精細複製品の制作に取り組んでおり、
その一環として津島天王祭屏風の複製品が作られたものです 。
複製品といっても、今までの概念を超えたまさに、もう一つの本物を見せてもらっている
わけです。
今回 、愛西市の許可を得てこの高精細複製品を撮影させてもらいました 。
次回からこの高精密複製品を通じて 、豪華絢爛 、さんざめく祭りの世界を紹介して
みたいと思います。
写真は今年1月、愛知県愛西市で公開された大英博物館蔵「津島祭礼図屏風 」の 高精密複製品
( 綴プロジェクト)より
なお写真は綴プロジェクトと愛西市のご好意により許可を得ています。