❮7年越しイタリア制し千葉が勝つ❯
今年1月国際学会で地質年代の名称「チバニアン」が決定したというニュースは千葉人にとっては勿論日本人として誇らしいビッグニュースでした。今回ブログの依頼を受け、その意味を解明したいと思います。
千葉県市原市田淵の養老川沿いの地層「千葉セクション(崖)」が地質年代を分ける境界を示すものとして「国際境界模式層断面とポイント(GSSP)」に認定され、これにより約77万4000年前から12万9000年前までの時代が「チバニアン」と命名されました。
❮2センチが地球の10年語る崖❯
千葉の地層は地質学者のメッカと言われるほど良い地層です。房総半島は地面が斜めに隆起したため中部から北部にかけて南北約30キロにわたって厚さ2000m、約100万年分の地層が連続的に見られる場所で、千葉セクションはその一部です。深い海の地層ほど気温の影響も受けにくいのですがここは水深1000m級 で100万年前より新しい地層が地表に出ているのです。千葉セクションでは1000年が2m(他では60m位)で見られます。また時代を分ける77.4万年前の境界は御嶽山の火山灰が白尾層となってくっきりとした線が見られこれは選考の重要なポイントでした。
❮化石中海陸空も閉じ込めて❯
海の貝、プランクトン(世界共通)や有孔虫(化石の殻から酸素量を計測しここの年代が温暖だとした)などの生物の化石は多く、陸の痕跡の花粉(量で気候が分かる)も化石に含まれています。
❮磁石針あちこち向いたチバニアン❯
チバニアンの決定の最大のポイントは地磁気の逆転がこの地層に記録されていることでした。この地層は伊豆の火山の噴出物が蓄積されている事もあり磁鉄鉱の量が多くまた向きが変わっていることが明確に分かる地層なのです。地磁気の逆転は地球史上何百回も起こっていますが千葉セクションに記録されている77.4万年前が最後です。
❮チバニアン調べてわかる地球未来❯
地磁気の逆転は地表や気象上に影響を与えます。磁気によって生じる磁場は地球に届く太陽風や銀河宇宙線を防ぐシールドの役目を果たしています。地磁気は逆転だけでなく強弱を繰り返しており磁気が弱まるとシールドも弱まります。
現代は電気を多用し電荷を帯びた太陽風が大量に届くとなると送電線や通信システムに被害が出ることがわかっています。まだ生物への影響は分かっていませんが、紫外線が増えればDNAが破壊され生命の進化に影響はあると考えられています。チバニアンは間氷期の割合穏やかな気候だった時代ですが、当時何が起こったかを調べることにより氷期の予測の情報も得られることでしょう。
まだまだ語り足りませんがチバニアンに思いを馳せて575を詠みにお訪ね下さい。
紅葉の崖語りたれ過去の過去 (竹葉)
今年1月国際学会で地質年代の名称「チバニアン」が決定したというニュースは千葉人にとっては勿論日本人として誇らしいビッグニュースでした。今回ブログの依頼を受け、その意味を解明したいと思います。
千葉県市原市田淵の養老川沿いの地層「千葉セクション(崖)」が地質年代を分ける境界を示すものとして「国際境界模式層断面とポイント(GSSP)」に認定され、これにより約77万4000年前から12万9000年前までの時代が「チバニアン」と命名されました。
❮2センチが地球の10年語る崖❯
千葉の地層は地質学者のメッカと言われるほど良い地層です。房総半島は地面が斜めに隆起したため中部から北部にかけて南北約30キロにわたって厚さ2000m、約100万年分の地層が連続的に見られる場所で、千葉セクションはその一部です。深い海の地層ほど気温の影響も受けにくいのですがここは水深1000m級 で100万年前より新しい地層が地表に出ているのです。千葉セクションでは1000年が2m(他では60m位)で見られます。また時代を分ける77.4万年前の境界は御嶽山の火山灰が白尾層となってくっきりとした線が見られこれは選考の重要なポイントでした。
❮化石中海陸空も閉じ込めて❯
海の貝、プランクトン(世界共通)や有孔虫(化石の殻から酸素量を計測しここの年代が温暖だとした)などの生物の化石は多く、陸の痕跡の花粉(量で気候が分かる)も化石に含まれています。
❮磁石針あちこち向いたチバニアン❯
チバニアンの決定の最大のポイントは地磁気の逆転がこの地層に記録されていることでした。この地層は伊豆の火山の噴出物が蓄積されている事もあり磁鉄鉱の量が多くまた向きが変わっていることが明確に分かる地層なのです。地磁気の逆転は地球史上何百回も起こっていますが千葉セクションに記録されている77.4万年前が最後です。
❮チバニアン調べてわかる地球未来❯
地磁気の逆転は地表や気象上に影響を与えます。磁気によって生じる磁場は地球に届く太陽風や銀河宇宙線を防ぐシールドの役目を果たしています。地磁気は逆転だけでなく強弱を繰り返しており磁気が弱まるとシールドも弱まります。
現代は電気を多用し電荷を帯びた太陽風が大量に届くとなると送電線や通信システムに被害が出ることがわかっています。まだ生物への影響は分かっていませんが、紫外線が増えればDNAが破壊され生命の進化に影響はあると考えられています。チバニアンは間氷期の割合穏やかな気候だった時代ですが、当時何が起こったかを調べることにより氷期の予測の情報も得られることでしょう。
まだまだ語り足りませんがチバニアンに思いを馳せて575を詠みにお訪ね下さい。
紅葉の崖語りたれ過去の過去 (竹葉)