575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

10月句 作者発表

2020年10月20日 | Weblog
題詠「小鳥来る」2020・10月

① 小鳥来る異国の言葉いくつ知る (結宇)
② 小鳥来る東京湾の入り口に (遅足)
③ ハチ公の 耳のあたりに 小鳥来る (殿)
④ 補聴器の来て小鳥来て声さやか (等)
⑤ 渡し呼ぶ 少女の笑みに 小鳥来る (紅)
⑥ 病む夫に便り咥えて小鳥来る (亜子)
⑦ 小鳥来る夫は昼食食べ切らず (佐保子)
⑧ 小鳥来る身振り交えて老二人 (千香子)
⑨ 影も連れ庭に二倍の小鳥来る (郁子)
⑩ 垣根越し破顔の友や小鳥来る (竹葉)
⑪ 大仏の左の肩へ小鳥来る (麗子)
⑫ 小鳥来る築地塀より二月堂 (晴代)
⑬ 小鳥来るついばむ土に穂の香り (泉)
⑭ 小鳥来る隣家の双子はしゃぎ増す (すみ)
⑮ 小鳥来る気の弱いオス近寄れず (能登)


自由題
① 歌碑残る峠の富士は雪少し (結宇)
② ぽっかりと 茶碗にうかぶ 月を飲む (殿)
③ 亡き友とさしつさされつ寝待月 (能登)
④ 葡萄種噛んで小さき恋終わる (遅足)
⑤ ハンモックの如夫の入浴秋の昼 (佐保子)
⑥ 蛍光の患部へとメス水蜜桃 (千香子)
⑦ 真鰯の裂く親指の青光り (晴代)
⑧ 土産券かへて真っ赤なめんたいこ (等)
⑨ 松茸や籠盛り前に勇気失せ (すみ)
⑩ 金色の里を縁どる曼珠沙華 (麗子)
⑪ 夕陽あび伊吹のすすき銀色に (泉)
⑫ 売り家の 影に置き去り 秋あざみ (紅)
⑬ 通学団みなマスクして会釈する(郁子)
⑭ ブラックの名入マスクや秋嵐 (竹葉)
⑮ 冥界の母の声して夕花野 (亜子)

  いかがでしたか?
   どなたの句か想像するのも楽しいですね。



コメント
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