575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「鼬の王が 来るからね」

2021年01月02日 | Weblog



川上弘美<かわかみひろみ>1958年 東京生まれ。5歳から
7歳まで米国で生活。小学校のときに長期の入院を余儀な
くされたことから読書好きになります。サンモール修道会
を母体とするカトリック系の雙葉中学校・高等学校を卒業。
御茶の水女子大学の生物学科に入学します。1982年 母校
の雙葉学園に戻り生物の教師となりますが結婚により退職。

「泣いてると 鼬の王が 来るからね」<弘美>

1980年 「季刊NW-SF」で短編小説「累累」「双翅目」を
発表。1994年パスカル短編新人賞を受賞。そして1996年
「蛇を踏む」で芥川賞を受賞します。2001年「センセイの
鞄」は谷崎潤一郎賞を受賞してベストセラーとなりました。
ちなみに「センセイの鞄」は久世光彦の演出により小泉今
日子と柄本明というキャスティングでテレビドラマ化され
ています。2016年に泉鏡花賞を受賞。2019年には紫綬褒
章を受賞するなど、現代の日本文学界を疾走するトップラ
ンナーといえるでしょう。余談ですが、豊橋出身のタレン
ト松井怜奈が「累累」という同名の小説を出版します。

「たくさんの犬 埋めて山 眠るなり」<弘美>

弘美は幻想と日常が織り交ぜる独特の世界観が特徴といわ
れています。これは俳句にも色濃く反映され、小説、漫画
などサブカルチャーで知られる長島有の句誌「恒信風」で
の句にも所見されます。また、弘美は角川俳句賞の選考委
員やNHKの俳句選者を務める、小沢實の「澤」でも俳句を
発表しています。

「生き死にの話 ぽつぽつどてら着て」<弘美>

「はっきりしない人ね 茄子投げるわよ」<弘美>

川上弘美。2021年の時点で数えてみると、単行本は34巻。
評論、随筆11巻。対談集6巻。日記5巻。さらに、作品の映
画、テレビ化など、まさにマルチでアグレッシッブな活動
を続けています。現在63歳。

「球体関節人形 可動範囲 無限や海氷る」<弘美>


「あけましておめでとうございます」この場をお借りして
句会諸氏の寿ぎをお祈りいたします。本年もよろしくお願
い申し上げます。


写真と文<殿>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする