大寒で音をとらえたもう一句。麗子さんの柱時計の句です。
こちらは重い音と表現しています。
等さん:大寒の深夜、部屋の空気はピンと凍てつき、柱の時計の音も何時もと違
う音がします。
千香子さん:寒さで時計の音まで「ああ寒い」と言っているよう
須美さん:子供の頃祖父の家にあった柱時計とその部屋の質感まで思い出した
晴代さん:重き音、よほど大きな(古民家にあるような)時計でしょうか
泉さん:重い音を感じる
冷え込んで静まり返った夜に、年代ものの柱時計が規則正しく時を刻む。
重々しい響きと同時に振り子の行きつ戻りつする様子が浮かんできます。
作者の気持ちもここに反映されているかもしれませんね
麗子さんは、最初
「大寒や柱時計のねじを巻く」
という句を作ったそうです。
【我が身にねじを巻く意味でと思ったけれど、柱時計のねじを巻いたことが
ないので、やめました】と。
麗子さんより少しお姉さん(笑)の私は
かろうじて、時計のねじを巻いた経験があり、感触も覚えています。
自分を奮起させるねじがあるのなら巻いてみたいものですが、
世の閉塞感と停滞感を動かすためのねじは
さぞかし力がいり、重い音がするのでしょうね。郁子