575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

大寒の獅子咆哮し一山ゆれる  等

2021年01月29日 | Weblog

獅子の吠える声が山を揺るがすというスケールの大きさが
大寒という語感に響きあうと思いました。
獅子もただのライオンでなく、想像を超えるとてつもなく大きなもの。

須美さんからも「自然の脅威を感じる」とコメントが。

等さんに、この句はどのようにできたのか伺いました。

【「大寒」の兼題を頂いて、最初に私の頭に浮かんだのが「月に吠える獣」、獅子でも
狼でも熊でも良いのですが、これらの獣が寒々した夜に、月に向かって一人?吼えて
いるイメージでした。

このイメージで浮かんだのが数年前の冬、東山動物園で見た一頭のライオンが、山の
上で寒さに向かい吼える雄々しい姿でした。その声はライオン山を、イヤ動物園全体
を揺るがすような感じがしました。

そして出来たのが「大寒の獅子咆哮し一山ゆれる」の句です。
それから「大寒の獅子一哮(いっこう)し一山ゆるる」と韻を踏ませ、
さらに言葉の順序をかえ「一山ゆれ大寒の獅子一哮す」としたものの、
「一哮」が弱いので、最終的に「大寒」のイメージも強調して
「大寒の獅子咆哮し一山ゆれる」としたものです。】

 このように一句が動く様子を伺ってとても勉強になりました。
 “言葉の順序”と“言葉のイメージ”で苦労されたということですが
 一山(いちざん)という重々しいワードが出てきたことにも納得しました。郁子



コメント (1)
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