575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

私のみた『方丈記』(6)最終回

2022年07月17日 | Weblog

 

私は今回、初めて『方丈記』の全文を読んでみました。そこでわかったことは、鴨長明の考えが凝縮されているのは、

第1項目「ゆく川の流れは絶えずして」と最後の「そもそも、一期の月影傾きて」にあると思います。

そのほかは前半が火災や飢餓について、後半が衣食住についての考えが述べられています。

教科書に載っているのは第1項目。無常観や宗教観が凝縮された一番、難しい話をいきなり若者に教えています。

古文を訳すことはできても、長明の考えを理解できるのは、ある程度、歳を重ねてからではないでしょうか。

流れに逆らって上る鮎のように、未来に向かって進もうとする若者に「ゆく川の流れは…」と言っもピンとこないのでは。

『方丈記』の第1、18項目以外を教科書に載せれば随分、親しみやすくなると思います。

最後の18項目「そもそも、一期の月影傾きて」では、出家して何事にも執着してはいけないと悟ったつもりが、

煩悩を断ち切れずにいる自分をそのままに述べていて、ここが『方丈記』の魅力でもあります。

 

      竹中 敬一 

 

              

コメント (2)
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