575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

句会の結果がまとまりました。

2006年11月17日 | Weblog
575の会11月例会は、欠席選句が多く
最終結果がまとまるのが少し遅くなりました。

題詠 霜月

霜月や沖にタンカー伊良湖岬(朱露)○○○
霜月や眞珠の似合ふ老婦人(亜子)○○○○○
霜月に蛇さ迷いて優美かな(龍次)
とりあえずマフラーをして霜月へ(静荷)○○○○
霜月の祭りの鬼は大喰ひ(遅足)○○○○○
霜月や葱の白さに惑わされ(鳥野)○
霜月や乾燥肌は虚をつかれ(麗子)○○○
霜月やパズルがふたつとけぬまま(晴代)○○○○○
霜月やシャッター通りに猫走る(立雄)○○○○○○
風霜月 砂糖醤油の匂いする(郁子)○○
霜月の虫の宿なる父の鉢(愚足)○
霜月や酒飲むしぐさ父に似て(能登)○○○○○○

  立雄さんと能登さんが最高点です。

    

自由題

栗落ちて又三郎のやうな風(亜子)○○○
そぞろ寒部屋いっぱいにくしゃみする(晴代)○○○○○○○○
返り花校舎の隅の暗きかな(静荷)○○
小春日にカルボナーラの湯気あくび(郁子)○○○○
愚にかえり抱けといふ母冬帽子(愚足)○○○○○○○
冬浪に次は没すや蟹漁船(能登)○○○○○
冬の陽の斜交いに差し猫うたた(鳥野)○○
紅葉を訪ねて飛騨の足湯かな(立雄)○○
霜月の京暖かく持て余す(麗子)○
俳句する女三人冬来る(朱露)○○○
廃寺跡ただ影となり秋の蝶(龍次)○○○
瞬けば行方知れずや蝶渡る(遅足)○○

  スランプという晴代さんが最高点。
  愚足さんの句が続きました。

  


   


次回は12月20日(水)午後6時 安田屋です。

題詠は「北風」

今年最後の句会となります。是非、お顔を見せて下さい。


   
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俳句する女   麗

2006年11月16日 | Weblog
朱露さんの句

    俳句する女三人冬来る

この句に○を入れた人が私を含めて奇しくも3人(内訳男2,女1)。
私は中年の女性3人がにぎやかに楽しくおしゃべりしながらという吟行風景
を感じたのですが、「冬来る」で「寂しい風景ではないか?」という意見も出ました。
作者が朱露さんと分かるや、
「これは俳句する女三人をどこか冷ややかに見ているのでは?」という意見や
「朱露さんは本当は女性の俳人を賞賛している」など
本人がおられないのをいいことに言いたい放題。とても盛り上がりました。

句会の後で郁子さんとお茶をして
「俳句する女3人、童子さんを誘ってで豊橋に行こう!」と言って笑いました。
朱露さんに会いたくなりました。年末の最後の句会、お忙しいでしょうけど
来られませんか?俳句する女がたくさん待ち構えておりますよ。
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乙女椿が咲きました。  遅足

2006年11月15日 | Weblog

  庭の乙女椿が花をつけました。
  椿は「春」の季語でした。
 
   幸いの薄き乙女の椿かな  

今日は七五三です。
男の子は五歳と三歳。女の子は七歳と三歳。
ともに三歳は祝うんですね。
昔の人は、三歳までの子供は神の子で、
三歳を超えると人間になると考えていたとか。

七五三を祝ったのは遠い昔ですね。
わが息子は、7×5=35歳を超えています。

  行きずりのよそのよき子の七五三  富安風生

  子が無くて夕空澄めり七五三    星野麦丘人

                

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11月例会の句がそろいました。

2006年11月14日 | Weblog

題詠 「霜月」

霜月や沖にタンカー伊良湖岬
霜月や眞珠の似合ふ老婦人
霜月に蛇さ迷いて優美かな
とりあえずマフラーをして霜月へ
霜月の祭りの鬼は大喰ひ
霜月や葱の白さに惑わされ
霜月や乾燥肌は虚をつかれ
霜月やパズルがふたつとけぬまま
霜月やシャッター通りに猫走る
風霜月砂糖醤油の匂いする
霜月の虫の宿なる父の鉢
霜月や酒飲むしぐさ父に似て

   

自由題

栗落ちて又三郎のやうな風
そぞろ寒部屋いっぱいにくしゃみする
返り花校舎の隅の暗きかな
小春日にカルボナーラの湯気あくび
愚にかえり抱けといふ母冬帽子 
冬浪に次は没すや蟹漁船
冬の陽の斜交いに差し猫うたた
紅葉を訪ねて飛騨の足湯かな
霜月の京暖かく持て余す
俳句する女三人冬来る
廃寺跡ただ影となり秋の蝶
瞬けば行方知れずや蝶渡る

以上12句です。   遅足

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俳句クイズ②            愚足

2006年11月13日 | Weblog
 このブログに遅足さんが時々綺麗な花の写真を載せられて、とても心和み季節を感ずる事が出来て楽しみです。
 そこで私はちょと無粋ですが、「俳句の花木嵌め込みクイズ」をお出しします。

 問題 下記の句の(  )の中に当てはまる花木の名前を選択群から選び、入れてください。
  
    ① (  )下枝は水浸く布留の川        細見綾子

    ② (  )の実紅へてむらさき吾子生る    中村草田男

    ③  はやばやと灯の入る峡や(  )の実  藤田則子

    ④ 巨勢山の椿は知らず(  )         熊谷恵子

    ⑤ (  )咲いて筆硯多祥かな         村上鬼城

    ⑥ 児の声の届く辺りに摘む(  )       磯貝ひろし

    ⑦ みささぎの木立かくれに(  )の実     岡本虹村

    ⑧ (  )の花びらにして月に敷く       古舘曹人

    ⑨ ひろしまの弔花(  )の白         居升白炎

    ⑩ (  )がんこにがんこに住んでいる     坪内稔典

   ・福寿草  ・百日草  ・青木  ・猫柳  ・山椒
   ・仏の座  ・寒椿   ・夾竹桃 ・桜   ・山茶花

評価とアドバイス
 10・9点・・俳句・植物とも達人   8・7点・・季のセンスあり
  6・5点・・俳句は続けられる    4・3・2点・・歳時記を寝る前に読む
  1・0点・・たの文化講座をさがす                    
     
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外国人の俳句

2006年11月12日 | Weblog
A bitter morning
Sparrows sitting together
Without any necks
               J・W・ハケット

寒い朝雀たちがたむろしている頸なしに

 1964年の日航ハイク・コンテストで大賞を獲得した句。
 英語では母音だけを音節と数え、母音が続いている場合は一音節。
 この句は575の定型。
 寒いという季語。頸ないという表現。中七の破裂音の子音を重ねた工夫。
 みごとな句です。

  (世界に広がる俳句・内田園生より)

       


頸なしに、なんて比喩はアメリカも日本も同じですね。

                    遅足
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山茶花咲く   遅足

2006年11月11日 | Weblog
しばらく前から、あちこちで山茶花の
咲いているのを目にするようになりました。
我が家の庭の花は、どうも全体に遅咲き。
雷の去った今朝、一輪の山茶花を見つけました。

歳時記によると、江戸時代から園芸品種として
改良が重ねられたようです。
平和な時代は園芸が盛んになるようで、
武士たちも花に熱中したそうです。
椿に似ていることから、姫椿などともいうようです。

 山茶花の長き盛りのはじまりぬ  富安風生

 山茶花やうしろに父とその母と  榎本好宏


父とその母と、は、父と祖母でしょうか。
そうすると作者は女性かと想像しましたが・・・

雨が上がると寒くなるそうです。
風邪にご用心。

 山茶花の白溢れける瞳かな 

 山茶花の白に濡れたる瞳かな

どちらが良いでしょうか?    遅足


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季語に新顔の登場   鳥野

2006年11月10日 | Weblog
今週のオープンカレッジの実作に

  冬将のあくびに虫の潜めけり

の句が板書されました。

冬将は冬将軍の字数合わせと思い、受講生からクスクス笑いが起こりました。
王将、金将、銀賞に次ぐ冬将かも、という不埒な声も出たりして。

しかし荻原先生は、極めて真面目に、たとえば

  冬将の目覚めて声の潜めけり

とすれば・・・と示されました。

これで一気に「冬将」が際立ち、厳しい季節の到来を告げる冬の使者、として浮かび上がりました。
冬将軍にあたる季語とし「冬帝」が、夏の炎帝に対座していますが、引けを取らない冬将よ。頑張れ.


   山々にこだまを返す冬将軍  望月基子

   電灯の紐引けば来る冬将軍  友永佳津朗

   冬帝の統べたる空の青さかな  三村純也

   冬帝の路地出る気配なき夜更け  高垣かず子

   
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ガラスの地球  麗

2006年11月09日 | Weblog
先日、NHKで「手塚治虫のラストメッセージ」という番組を見ました。
平成元年に亡くなった手塚氏の子供たちへのメッセージは
生命の大切さを説く心打たれるものでした。
そこで家にあった手塚氏の「ガラスの地球を救え~21世紀の君たちへ~」という
エッセイを読み返してみました。

手塚さんがマンガを通して一貫して伝えたかったメッセージは
「生命の尊厳」でした。

新しい世紀を見ることなくこの世を去った手塚氏ですが、
21世紀を生きる子供たちに
「宇宙からの眼差しを持つよう」に説きます。
「将来、必ず宇宙ステーションで子供が生まれ、
彼らは文字通り宇宙人となり
宇宙から地球を眺める日が来るだろう。
そんな子供たちは、この地球上に生きる何十億という人間を
万物の霊長とは見ず、一介の生物として見るだろう。
彼らは地球を乱開発したり戦争で荒廃させたりという
人間のエゴイズムを許さないはずだと。
大宇宙の孤独の中にガラスのように壊れやすくぽっかりと
美しい地球が浮かんでいる。
そのはかなさが手にとるようにわかるはず。
人間だけがえらいのではなく
全ての生き物が同じように生を全うする生命体であると
受けとめることが出来たとき、
人類は宇宙の一員になれるかもしれない」と言っています。

子供の頃いじめられていた手塚少年を支えてくれたのはマンガでした。
今、いじめによって子供達が自殺してしまう世の中。
命の大切さを訴え続けた手塚さんがあの世で
嘆いておられるでしょう。
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2006年11月08日 | Weblog

冷たい朝でした。
でも露こそはあれ、霜はまだまだ。

 夕霜や湖畔の焚火金色に

高野聖の作者、泉鏡花の句です。
写真は蓼科の11月。
湖畔ではなく小さな池の近くで撮影したもの。
焚火は出来ない世の中になってしまいました。
ちょっと残念です。

さて今月の題詠は「霜月」
昨日の寒さで、少し実感が出てきました。

 霜月のはじめを雨の伊豆にをり  鈴木鷹夫

 霜月や雲もかからぬ昼の富士   正岡子規

締め切りは13日一杯です。
よろしくお願いします。   遅足
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今朝の冬    遅足

2006年11月07日 | Weblog

写真は今日の日の出です。
今日は立冬。 
暦の上では今日から冬。

お隣の韓国では、零下に下がって雪も降ったそうです。
名古屋は暖かな朝。
でも今夜から冬らしくなるとのこと。

立冬の頃から冬の季節風が吹きはじめ、
初霜、初氷の便りも聞かれるとのこと。
たしかに寒い朝などは身が引き締まります。

  冬立つ 冬に入る 冬来る などとも言います。

今朝の冬 これは立冬の朝。

  石の家にぼろんとごつんと冬がきて  高屋窓秋

      

  今朝の冬猫は毛皮をふくらまし   遅足

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締め切りの迫りて季語のクイズ出し         愚足

2006年11月06日 | Weblog
 いつも月曜日が迫るともう少しマシな事が書けないかと無い頭をひねる。しかし無い物はいかんともしがたい。 そこで またまた俳句クイズに逃げることにした。 問題・・下記の句の季語の読み方と季を記せ。         皸といふいたさうな言葉かな     富安風生      料峭や人頼らむとしたりし愚     安住敦         山桜桃熟れ老農夙に畦をぬる     飯田蛇笏    螻蛄鳴くや教師おのれにかへる時間  加藤楸邨        楪を箸置きにして祝い膳       中村苑子                           
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風について   穴井太

2006年11月05日 | Weblog
風という字に虫がいる?

八風。風が吹くと虫が生れる。
したがって、八日にして虫は変態する。
と、辞書にあります。

風が変る。
季節が移る。
虫が生れる。
風のなかの虫は命の象徴かも知れません。

そういえば虫が騒ぐといいます。
異変を人間のなかの虫が
感じているのでしょうか?

 三月の風人買いのやさしさで  穴井太

風の妖しい力を感じさせる句です。
芭蕉も片雲の風に誘われて旅に出ています。
風には人のこころを動かす魔力があるようです。

                 (遅足)




 
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イチローの八月が往きもう冬か   朱露

2006年11月04日 | Weblog

   2割3分3厘。イチロー断崖の八月だった。
   正視に耐えぬ彼と先の見えない入院中の妻。
   頼りにしている二人の不調で暗澹たる夏だ。
   何か可笑しいですね、どうぞお笑い下さい。

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26歳、私は何をしていたのでしょう   鳥野

2006年11月03日 | Weblog
あなたなる夜雨の葛のあなたかな

難解でした。前書きに”・・・みちはるかなる伊予の我が家をおもえば”とあるのを知り、景が少し浮かんできました。

この句については、虚子がまず「あたかも絵巻風の表現」と絶賛、一躍注目されました。そのあとも、快美な情趣につつまれて夢みるような心地、遊子の悲しみ,リフレィンの美しさ、などな賛辞が続々。

言われてみても当方には今一つのもの。本当の良さを感じるには、道遠し。まだまだ学ばねば、と反省。

 ところが、作者の芝不器男はこの時23歳、若さ故の感性と知って驚きました。老いて今更なにをしたって手遅れ。あーあ。
 彼は、26歳で逝去。200句ばかりを残しています。

   白藤や揺りやみしかばうすみどり  不器男
 
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