575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

憧れの梅花空木(バイカウツギ)         草女

2009年05月22日 | Weblog
この白い花が好きで、3年前に苗木を手に入れたが、花が咲かないまま年月がすぎた。ところが、なんと、この5月、花を今まで花をつけなかった分を取り戻すが如く純白の花をこぼれんばかりに咲かせた。心当たりはひとつ、日当たりが良くなったことだ。庭を覆っていた金木犀を、思い切って刈り込んだのが去年の3月。一年間の太陽光がなせる業なのだ。
バイカウツギはユキノシタ科バイカウツギ属の落葉低木で、本州、四国、九州に自生する日本固有種だが、庭木用に乱獲されたため野生のものを見ることは難しいと言う。しかし、よく見るとやっと咲いた庭のバイカウツギは八重咲で花も大きい。これは日本固有のバイカウツギではなく、ヨーロッパ南部や北アメリカ産のものを交配して作った園芸品種でセイヨウバイカウツギといわれるものである。
野生に拘る気はなく、セイヨウバイカウツギで構わないが、なんか騙された気がする。一方、セイヨウバイカウツギをバイカウツギに括っても、別にいいでしょという気にもなる。やっと咲いた憧れのバイカウツギが心中に思わぬ波紋を投げかけている。

顔入れて馬も涼しや花卯木       前田普羅
暁けの雲一気に去りぬ花うつぎ     桂 信子
卯の花や一握となる洗ひ髪       鷲谷七菜子   
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相模灘我がスーパーの鰹かな   朱露

2009年05月22日 | Weblog


   城ヶ島と真鶴の線以北を相模灘と言う。
   豊橋のスーパーの鰹も相模灘から来た。
   或いは遠州灘へ遠征して来て捕まった。
   イズレにせよ黒潮に揉まれた鰹一匹だ。

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石の寺    麗

2009年05月21日 | Weblog
先週、近江鉄道に乗って滋賀県の石塔寺(いしどうじ)へ行って来ました。
小林秀雄が日本一のお寺と大絶賛した聖徳太子建立のお寺。
長い石段を登り切ると、そこに7メートル以上ある石の三重の塔が目に飛び込んで来ます。

この三重塔はインドの愛育王(あしょかおう)が
仏法興隆のために世界中にばらまいた仏舎利塔の一つとされ、塔を取り巻くようにぎっしりと無数の石仏が広がります。圧巻です。でも観光客はだれもおらずひっそりとしています。
五月の青空に突き抜けた石塔は解放感のある大らかさがあります。

韓国にもこことよく似た石塔があるとのこと。
その昔、百済から来た石工が作ったのでしょうか?

海と時を超えて無言で語る何かが存在します。日帰りの旅もいいものですね。

      五月晴れ 突き抜けるもの ここにあり   麗
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散り急ぐ薔薇の花びら数えけり    遅足

2009年05月20日 | Weblog

薔薇の花びらは一体、何枚あるのだろう?
バラ科の花は5枚の花びらを持つので
原種にちかいものは5枚。
しかし人間がつくりだした品種ではもっと多い。
数えようと思って散るのを待っていました。
そして一枚の花びらが散った。
残った花に手を触れた途端、はらはらと
すべて散ってしまった。


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河本五郎展にて   鳥野

2009年05月19日 | Weblog
会場を出たら、どっと疲れが押し寄せて、とにかく手近な椅子へ。
へたり込んで、しばらくは動けません。エネルギーのありたけを吸い取られたみたい。

誘われて出かけた愛知県陶磁資料館の「河本五郎展」。期待いっぱいでした。

河本は、焼き物の名地、瀬戸に生まれて、瀬戸の伝統に立ち向かった反逆児、異端者。その勇名は聞いていたものの、これほどとは。

とにかく、すごい。磁器、陶器、染付け、色絵、手捻り、たたら・・・手法も容も大きさもさまざま、そしてどれもが異色。
観ている側は”これでもか”と迫って来る作品に、驚いたり、笑ったり、呻いたりと、心を奪われてしまいます。

中でも、終生のテーマだった「歌垣文」は、五郎の鼓動そのもの。火をかざす腕が尻が乳房が生命を謳歌していました。


 ・ ワールドとははみ出すためにあるものと河本五郎の呵々の声する

 ・ 歌垣に盛る炎を裡に抱き一生(ひとよ)尽くしし河本五郎

                            鳥野

 

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前線の句           愚足

2009年05月18日 | Weblog
★戦時中の俳句、いわゆる「戦火想望俳句」に関心があり捜しているのだがなかなか見つからない。
 とりわけ従軍中の最前線の句というのには御目にかかれない。そんなとき俳句ネットをうろうろしていたら、次の様な句に出会った。
 作者は三橋敏雄。この句を読んで誓子は次のように述べたそうである。
 「私は主義として無季俳句を作らないけれど、もしかりに無季作品を作るとすればこういう方向のものを作るのではないかという気がする」と。

  射ち来たる弾道見えずとも低し
  嶽々(やまやま)の立ち向ふ嶽(やま)を射ちまくる
  嶽を撃ち砲音を谿に奔らする
  砲撃てり見えざるものを木々を撃つ
  そらを撃ち野砲砲身あとずさる
  戦車ゆきがりがりと地を掻きすすむ
  あを海へ煉瓦の壁が撃ち抜かれ
  夜目に燃え商館の内撃たれたり
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花水木の話    遅足

2009年05月17日 | Weblog
ハナミズキ。原産地は北アメリカ。
花びらと見えるのは、苞(ほう)。花は小さなものです。
私の住んでいる昭和区では、区の花とされています。

このハナミズキに関する3つのお話。

その一。
英語では「ドッグ・ウッド」犬の木というそうです。
日本ではイヌの名のついた植物は、余り良い意味で使われていません。
イヌタデ、イヌビエなど、役に立たない、という意味ですから。
このため、日本では、イヌの木は、役に立たない木だとする説まであるそうです。
本当はイヌの皮膚病やノミ退治に役立つ木だそうです。
国によって言葉に違った意味があることから生まれた誤解のようです。
    
その二。
アメリカのポトマック河畔の桜は有名です。
これは1910年代に日米親善のためにアメリカに贈られたもの。
この時、アメリカからの返礼として贈られたのがハナミズキ。
現在は?
戦争中に「敵国の木」ということで、日比谷公園などにあった
ハナミズキは切られてしまいました。  

その三。
この木はキリスト処刑の木として選ばれたとされているそうです。
アメリカでは二階建ての家よりも高いものもあり、
丈夫なことから十字架の木に選ばれたとか。
花(苞)も十字架の形になっているそうです。
(これは、本当でしょうかね?)

   我が庭の我の十字架花水木  遅足

     (都会の花と木・中公新書より)



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歳時記や夏の季語なら扇風機    朱露

2009年05月16日 | Weblog

      我が家の周辺を見て扇風機に落ち着く。
      後は冷蔵庫の氷を入れて水を飲むとか。
      なるべく炎天へ出ないのも夏の心得か。
      四時過ぎ朝倉川往復四十分して酒飲む。


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青嵐憂い噛み砕くパインアメ   朱露

2009年05月15日 | Weblog

     パインアメはパイン株式会社製の飴。
     パイナップル果汁その他もろもろの。
     「甘酸っぱくてジューシー」に泣く。
     このジジイに欠けているものなんだ。

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ヨシキリ         草女

2009年05月15日 | Weblog
よしきりの 声が冷たく 身をせめる?

 連れ合いが好む三波春夫の「大利根無情」の冒頭の一節である。幾度も聞かされているのだが、この日は「よしきりの声が冷たく身をせめる」のところにひっかかった。
「鳥名の由来辞典」(柏書房)によれば「よしきりはヨシキリ類でオオヨシキリ、コヨシキリを含むが、オオヨシキリをさしている場合が多い。・・・」とある。それにコヨシキリは高原の湿地に渡るものが多く、あまりお目にかかれないから、このヨシキリはオオヨシキリと考える方が妥当だろう。
 オオヨシキリの鳴き声は大きな声で「ギョギョギョ、ギョチ ギョチギョギョギョギョ ギギギギ」とかなり煩く頻繁に鳴く。だから、俗名で「行行子(ぎょうぎょうし)」という。

     利根の 利根の川風 よしきりの
     声が冷たく 身をせめる
     これが浮世か
     見てはいけない 西空見れば
     江戸へ 江戸へひと刷毛 あかね雲
                     (猪又 良 作詞)
 よしきりの声に身を責められるなんて・・・どういうふう?
ではどんな鳴き声なら、納得できるか。鳴き声がすぐ浮かぶ鳥なら、鶯、郭公、不如帰、雀、烏、雲雀、などなど考えてみたけれどどれも、どれも身をせめない。  それだけ平手さんの心の闇が深いということか。
 そうそう、「別れの一本杉」に登場するカケスの声もひどい。およそ詩的ではなくしわがれた声で「ジュー」と鳴く。

そんなこと問題にするのは、バードウオッチャーだけだね。
オオヨシキリはスズメ目ウグイス科の夏鳥。カケスはスズメ目カラス科の留鳥または漂鳥だ。
                            


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見たい絵    麗

2009年05月14日 | Weblog
昨日、郁子さんと一緒に名古屋ボストン美術館へ
ゴーギャン展を見に行ってきました。

目玉はなんと言っても
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

横幅13メートル以上もある大作です。

そこに描かれている人物・動物・偶像などを通して
人間の存在の永遠のテーマに挑んでいました。
これまで南国タヒチでの創作活動というと
なんだか悠々自適の生活を思い描いていましたが
自分と向かい合う苦悩する思索の日々であったのですね。
それにしてもこんな深い根元的な
作品を見たのは初めてでなんだか刺激を受けました。

さて、刺激といえば先日NHK教育テレビ「日曜美術館」で放送されていた
片岡珠子の作品の数々。
去年103歳で亡くなられるまで創作エネルギーは無尽蔵で
テレビを通してでもそのパワーを感じることができました。
一度、富士山シリーズの絵をこの目で見てみたいです。


    柿若葉描いてみたくなりにけり  麗
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曽良の墓     遅足

2009年05月13日 | Weblog
この春、諏訪湖に面した上諏訪の駅周辺を散策しました。
駅から歩いて10分ほど、寺町に出ます。
正願寺という寺に、芭蕉とともに奥の細道を旅した河合曽良
と新田次郎の墓がありました。

新田次郎は諏訪出身と知っていましたが、
河合曽良も諏訪生まれだったのです。

大きな自然石に曽良の句

 ゑりわりて古き住家の月見かな

これが句碑には

  古き住家の
  ゑりわりて
  月見かな

と書いてあるので、全く読めませんでしたが、
お庫裏さんと思われる人が読んで下さいました。
意味は、ひさしぶりに故郷に帰った。
襟をわって、ゆったりした気分での月見だ、ということ。

本堂の裏に墓地があり、小さなお墓には、辞世の句

 春にわれ乞食やめても筑紫かな

とありました。どういう意味なんでしょうね?
没年が宝永5年5月22日。ちょうど今年が没後300年。
境内には新しく銅像が建てられていました。
この5月に法要が行われて公開されるそうです。

    

 新田次郎のお墓は自然石でした。

 春風や次郎の夢のまだつづく

という句が刻んでありました。
この墓地にも温泉が湧いていて、
「お墓を温泉で洗ってあげて下さい」とのこと。
死んだら、こんなところで眠るのも良いな。




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ネコにも母の日   鳥野

2009年05月12日 | Weblog
母の日に姪が心遣いしてくれた鉢植えの薔薇。
今年は、ネコに贈ることにしました。

2頭とも小公園に置き去りにされていたコ。
アネキはチンチラ交じりの美猫、オトウトはキジトラの典型。
それぞれ保護した時のカルテから数えれば、21歳と19歳のご長寿さんです。

飼い主ともどもの老々世帯で、来年のことは分りません。今のうちの母の日。

とくに、下のコはうちに来た時、目も開かず耳朶も立たずの、190グラム。
息も鳴き声も絶え絶えの小さな塊りでした。、よく育ったものです。

 ・ ほら、お空に浮かんだ白い雲、母さんに似た形。
   突然いなくなったボクを、ああして空から捜しているんだよ。
   あの夜、母さんの温かいお腹でウトウトしていたボクを掴み上げたのは
   人間の手。
   しがみつくボクをダンボール箱に押しこんだ冷たい手。
   その次に起きたことはもう思い出したくない。
   でもね。ボクはずーっと元気で、こんなに大きくなったからね・・・。



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柿通信   角寿

2009年05月12日 | Weblog
雨も適当にあり、真夏日の到来で、
草木は元気づき、伸び伸び。

柿の若葉も生き生き、緑を増して来ました。

 (写真ありがとうございます。
  どんどん大きくなってきていますね。
  みどりも濃くなって、若葉から青葉ですね。遅足)


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これって?   角寿

2009年05月11日 | Weblog
日曜日の10日、氷見でこんなつつじの花を見かけました。

白い花ばかりの中に、花弁が赤と白の2色に分かれているのが
2輪だけ咲いているのです。

まだら模様の花があり、これもその一つでしょうが、
なぜ?こんな花が咲くのでしょう?

どなたか教えて下さい。
 


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