575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

大縣神社(おおあがたじんじゃ)の枝垂れ梅      遅足

2014年03月15日 | Weblog
麗子さん紹介の枝垂れ梅を見てきました。
犬山市にある大縣神社です。
一昔前に行った時には梅林はありませんでした。
参拝をして奥へ進むと、裏山一面に梅林が!

全国の神社や個人から奉納された紅白300本のしだれ梅。
山の斜面の梅林は花盛りでした。
平地の梅林とは一味違い、なかなかの眺めです。

今日15日は、すぐ近くにある田県神社の奇祭「ほうねんさい」の日。
男達が五穀豊穣を願い、男性のシンボルをかたどった神輿を担いで練り歩きます。
この祭りは、大縣神社の豊年祭と対になっており、
こちらは女性のシンボルをかたどった山車などが練り歩きます。
毎年3月15日、直前の日曜日に行なわれているとか。
残念ながら両方ともみることは叶いませんでした。

梅見のあと犬山のホテルに一泊。
露店風呂で月と梅を楽しみました。

    月光にしだるる梅となりにけり    遅足
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如月や更地になれど月は降る    童子

2014年03月14日 | Weblog
増税前の駆け込み需要でしょうか。
あちこちで家の改装工事が行われています。
また古い家やお店の取り壊し、新築工事も。

あれ!あそこが更地に・・・・
どんな家があったこか?すぐには思い出せません。

この句の更地には中華料理店があったそうです。
木造のお店は、たった一日で更地に。
遅く通りかかった作者の眼には如月の月の光が・・・

月光が降るのですが、月が降る、と言われると、
お月様が更地に降りて来たような気もします。
どこか幻を見ているような不思議な句です。

                 遅足


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あの日   麗

2014年03月13日 | Weblog
三年前の3月11日の朝、私は初めて長崎に旅行するためセントレアに向かっていました。
空港に向かう車の中からそれはそれは美しい朝日を眺めていたことを思い出します。

午前中に長崎空港についてまず平和公園を訪れました。原爆で犠牲になった方のご冥福と平和を祈り、それから浦上天主堂という教会に到着した時ちょうど教会の正午の鐘の音が迎えてくれました。
お昼にはおいしい長崎チャンポンをたべ、早春の長崎の青い空と青い海。坂のある異国情緒あふれる街なみを堪能し、路面電車にのったり降りたりと楽しく市内観光をしていました。

地震のことは全く知らずに、坂本龍馬で有名な亀山社中に向かおうとしていたとき、観光客の団体さんとすれ違いました。東北で大きな地震が起きたらしいよ、という声が聞こえてきました。

それでも歩いていたので特に情報を得ることもなく急な坂道を上って、三時半くらいにようやく亀山社中に到着しました。そこで一息ついて、ちょうど持っていたテレビの音声がきけるケータイプレーヤーのスイッチを入れてみますと、大津波警報とアナウンサーの叫ぶ声が聞こえてきました。

あまりの惨状にもう観光をする気持ちにもなれず、夕方早めにホテルに入りそのままテレビの映像から目を離せなくなりました。現実に日本で起こっていることとは思えませんでした。

旅先では何もできず、ホテルから見た長崎の夜景をとても悲しいやるせない気持ちで眺めていました。
たまたま私は長崎に旅行をしていましたが、あの日、東北に旅行にでかけ被災された方も多くいらっしゃったことと思います。

あの日から無事につつがなく一日をおえることが、いかに尊いことかを思い知らされました。

三年たっても仮設住宅などで不自由な生活をされている26万人以上の方。家族と離ればなれで暮らしている方、原発のこと、大切な人を亡くして悲しみの中に沈んでいる方が多くいらっしゃると思うと、本当にやるせない気持ちになります。

私たちは日常生活に追われ、被災された方としていない人とではこの3年の過ごし方や気持ちには隔たりがあるかもしれません。震災のつらい映像はもうみたくないという方もいらっしゃると思います。でもやはり、あの日の想像を絶する津波の恐ろしさを、全ての人が絶対に忘れてはいけないと思います。

80年前の昭和8年に東北地方を襲った昭和三陸大津波のことも私は今回の地震まで知りませんでした。
100年後を見据えて語り継いでいくことは大事だと思います。

最後に西村和子さんという俳人が作った俳句をご紹介します。

    言の葉の非力なれども花便り

どんなに言葉を尽くして現実を切り取ってもあの大震災の前に打ちのめされ言葉もありませんでした。それでも季節は巡り3年が経ちました。言葉は非力かもしれませんが、やはり言葉で語り継いでいかなければならないと思います。
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句会近づく。      遅足

2014年03月12日 | Weblog
3月句会の題詠は「菜の花」です。

油菜の花。菜種油をとるので菜種の花とも。
花菜。菜種菜。風が吹けば花菜風。雨なら花菜雨。

  菜の花といふ平凡を愛しけり  富安風生

葉の花の花言葉は「快活な愛」「競争」「小さな幸せ」
「快活」「活発」「元気いっぱい」「豊かさ、財産」等が。

  菜の花や月は東に日は西に

菜の花と言えば、与謝蕪村のこの句。
唱歌「おぼろ月夜」の歌いだしは「菜の花畑に入り日うすれ…」。
一面の菜の花畑が目に浮かびます。

こうした景観は、菜種油が灯明として用いられるようになってからのもの。
明治に入って電燈が普及しますが、菜種油は食用油としても利用されて、
昭和30年代までは日本各地で見られました。

最近は、観光客向けの菜の花畑があちこちに。
東海地方では渥美半島が有名です。
温かさを求めていくのですが、案外寒い日も。
ちょっと羽織るものを持って行ったほうが良いことも。

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鳩が来ない   鳥野

2014年03月11日 | Weblog
去年は、ついに姿を見せてくれなかったニイちゃんとサンちゃん。
今年は、期待できるでしょうか。
仲のいい、子育て上手な「鳩のつがい」でした。
尾の辺りに白い差し毛が2本のと3本のと。はじめのうちは、雌雄
不明でしたが、抱卵するようになり、よく分かりました。
真剣なメス、御座なりなオスというわけです。

エアコンの室外機と壁の間に巣を作って、2シーズン、2羽ずつ。
都合4羽が巣立っていきました。

当方が住まうマンションでは、鳩はどうやら「嫌われ者」。CDを提
げ、追っ払い棒を用意し、ネットを張り、と鳩対策に懸命でした。
不潔、感染症、景観、理由はさまざまのようです。
でも、鳩は平和のシンボル。そして、優しい鳥。
ピカソに愛されて、いくつもの作品になり、カザルスには、故郷のカ
タロニアでは、「ピースピースと啼く」とさえ言われました。
嫌わないでください。一緒に鳩を待ちましょう。

 ・ 昨日まで不細工なりし鳩の子の目の色澄みてついに
   翔ちたり
                     鳥野










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二度までも会いたくもなし風邪の神   狗子

2014年03月10日 | Weblog
もうたくさん、勘弁して。わかります、と智恵さんとえみさん。

日本列島には、一級の寒波が居座っています。
飛騨の高山では雪が降っています。
名古屋は晴れていますが、急に曇って・・・風花も。

三寒四温、木曜日に雨が降れば、四温と暖かくなるそうです。
最後の冬将軍の襲来・・・風邪の神にはご遠慮願いたいものです。

                        遅足



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春の雪振る舞い酒を二杯ほど   すみ

2014年03月09日 | Weblog
春の雪見酒とは羨ましいこと。ごゆっくりどうぞ、と鳥野さん。
身体も心も温まる、と立雄さん。

一杯いただいて、もう一杯。二杯ほどがとても良いですね。
昔は、お祝い事には振舞酒がつきものだったとか。
しかし車社会、飲酒運転に対する規制が強化。
初詣で客への振る舞いを取りやめる社寺などが増えているそうです。
そういえば、私の町会の神社は、まだお神酒を振舞ってくれます。
と言っても私は飲めませんが・・・

この振舞酒は、温泉の駅でのことだそうです。
これなら飲酒運転はありませんね。        遅足



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二の腕の白さ眩しき雪の朝    能登

2014年03月08日 | Weblog
狗子さんが家の中。私は屋外と読みました。
室内なら後朝の句。雪の白さと女性の二の腕の白さを。
外なら雪掻きでのこと。汗が出てきて・・・腕まくりを。

作者は屋内を詠んだそうです。

「二の腕」があるのに「一の腕」がないのはなぜ?
一の腕も二の腕も「日葡(にっぽ)辞書」という辞書に載っているという。
いまから400年ほど前にイエズス会の宣教師らが出したもの。
それによると、一の腕は肩から肘までの間の腕。
二の腕が肘から手首までの腕。

今の二の腕が一の腕と呼ばれていたことになります。
しかし他の古い文献をたどっても、一の腕という言葉はないとのこと。
謎ですね。
                   遅足



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鈴の音のじゃれて二子(ふたご)の晴れ着かな    郁子

2014年03月07日 | Weblog
おそらく、可愛らしい赤い草履に仕込まれた鈴の音でしょう。
はしゃぐ動きと音色が聞こえてきます、と智恵さん。

二子の遊ぶ様を、鈴の音で表現しました。
季語がありませんが、鈴の音と晴れ着が春を感じさせます。

子供時代の普段着。ツギのあたっているのが当たり前。
よそ行き服といえば学生服でした。
大人になってからは、冠婚葬祭は背広で通してきました。
モーニングは、結婚式の貸衣装でした。

最近の小学校の卒業式には、男の子が紋付き袴を着るとか。
男も晴れ着を楽しむ時代になったんでしょうか。

山茶花の花が終わりに近づき、梅も花を散らしています。
クリスマス・ローズが咲き、木蓮の花芽が膨らんできました。
ここ数日は寒い日が続いていますが、もう春ですね。

                      遅足


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いのちの名前   麗

2014年03月06日 | Weblog
三寒四温。
また寒さがぶり返しましたね。
さて、お父さんの介護のため仕事をセーブ。実家に戻り介護中の友人からひさしぶりに電話がありました。
なかなか気分転換できないからおすすめのCDがあったら教えて欲しいとのこと。
今、メールで好きな曲をやりとりしています。

その彼女が今、繰り返し聞いている曲が「いのちの名前」という曲です。
「千と千尋の神隠し」のテーマソングです。作詞は覚和歌子、久石譲が作曲しています。

歌詞の中に「秘密も嘘も喜びも宇宙を生んだ神様の子供たち」というフレーズがあります。
ユーチューブでも聞けるので聞いてみてください。癒されます。平原綾香さんも歌っています。
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春立ちて先ずは二千歩新シューズ    立雄

2014年03月05日 | Weblog
春を待つ心がよく伝わってきます。健康維持にはウォーキングが一番。
春の声を聞いて足がムズムズ。まず、新しい靴を買いました。
一気に一万歩は無理です。二千歩から。

一定のリズムで歩くと、エンドルフィンという物質が出て
「楽しい!」と感じるようになるそうです。
ランニング・ハイならぬウォーキング・ハイでしょうか。

ウォークングという言葉、子供の頃にはありませんでした。
散歩と言っていましたが、ウォーキングとは似て非なるものです。
私には、ぶらぶらできる散歩のほうがピッタリきます。
今日は雨。散歩しようか?空模様しだいです。

                        遅足


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象さんにも春  鳥野

2014年03月04日 | Weblog

 
 ・ 母象と仔象は一語また一語鼻をかわしぬ 春がきている

中日歌壇(3月2日)松田宗匠の入選歌です。
象の親子の伸びやかな景、それを見守る作者の眼差し。読み返して
いるうちに、体の芯が温まってきました。

選者小島ゆかりの評、「こんな春の訪れもある。リズムも一マス空
けの用い方も巧み」

読者の一人としては、歌の良し悪しは当然のこととして、作者のお
人柄に触れた思いです。

東山動植物園は、リニューアルが進み、なかでも象舎の「ゾージア
ム」は話題の中心です。
この春は象の親仔の会話を聞き取りに、是非。
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宏二さん二月生れの水瓶座    佐保子

2014年03月03日 | Weblog
この手があったのか!と、選んだみなさんの声。
題詠が「二」であったから生まれた遊び心の句。
この句会のメンバーにしか通じない句ですが。

「宏二」という名前から何が分かるでしょうか?
漢字の宏。ヒロシとも読みます。
「ひろし」は「弘」「博」と書く場合は多いですが、
昭和の初めから40年ころまで、ずっと人気の名でした。
その時代の日本人の志向が現れているという説も。
「二」ですから次男坊かな?

「二月生まれの水瓶座」の性格判断は?
常識的なこと、日常的なことは、興味も示しません。
平凡な生き方、月並みな考え方をも嫌います。
想像的で、新しく物事を始めたがる性格。
地位と名誉を手に入れる事に情熱を燃やします。
性格的にはヤヤ暗めな場合が多く、非社交的ですが、
自分の目標に向かって、黙々と努力を続けるタイプです。

ちなみに水座座の有名人は、江守徹さん、所ジョージさん。

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二ン月の三寒四温昼の月   静荷

2014年03月02日 | Weblog
早く暖かくなってほしいという気持ちが伝わります、と立雄さん。

見事に並んだ漢数字。洒脱な俳味に惹かれます、と鳥野さん。

地球が太陽の周りを回って、春夏秋冬の季節が生まれます。
昼の月という取り合わせが、こうした天体運動を示唆。
とても大きな句になっています。

もう3月。ここしばらく四温が続きました。
三寒が待っているとのこと。花粉も飛びはじめました。
体調管理には要注意ですね。
                      遅足

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紅梅も鉢も来し方二百年    晴代

2014年03月01日 | Weblog
来しかた二百年、の、紅梅と鉢を想像しました。
映像ははっきり浮かびませんが、ゆったりした落ち着きを感じました。
と、智恵さん。

二百年が良いですね。百年では、少し短く、三百年では長い。
こんな感覚、若い頃には持っていなかったんですが。
70歳を超えると百年はそんなに長く感じないのです。不思議。

また「来し方」と言われると「行く末」を思う。
これも時間に対する感じ方の加齢現象のひとつかな?

紅梅と鉢、二つで一対。ここにも「二」が隠されています。
とても気に入った句です。

もう3月ですね。三寒四温。
春の足音がはっきりと聞こえてきます。    遅足


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