575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蛙句会   麗

2019年05月16日 | Weblog
このところめっきり蛙の鳴き声を聞かなくなりました。いろんな記憶や情景を呼び起こしての蛙の合唱となりました。
尚、蛙は春の季語ですが、雨蛙などは夏の季語ということも勉強になりました。それでは一言講評です。殿さまがトップ賞になりまさに「トノサマガエル」で大笑いでした。

① 苔寺の色に溶けゆく雨蛙

圧勝のトップ賞でした。完璧な一句。雨蛙の鮮やかな緑と苔寺の雨に濡れた緑が溶け合っています。この苔寺は西芳寺ではなく鎌倉の苔寺と言われる妙法寺での一句だそうです。

② 蛙鳴く昭和の夜は遠くなり

時代の移り変わりを感じるというコメント頂きました。昭和の子供時代、家族4人で寝ていた夜は蛙の声がにぎやかでした。

③ 蛙の子手足出る時神社の池

買っていたオタマジャクシに手足が出始めた時、神社の池に返したそうです。ちょっとそこが読み切れず。。

④ てのひらにひんやりかろきあまがえる

雨蛙のはかない存在の感覚が伝わって来ます。全てひらがなでより軽やかに。

⑤ 遠蛙夢にブレーキかけし声

悲惨な交通事故を詠み込んだ時事句でしょうか?やりたいことにブレーキをかけたという作者の青春の日も思い出されました。

⑥ 闇の中合唱する蛙達

京都の綾部の方ではまだまだ蛙の声がにぎやかだそうです。まさに大合唱でしょうね。

⑦ 引っ越すや暗闇わけて牛蛙

引っ越した先は牛蛙の声が聞こえていたそうです。「夕闇」と迷ったそうですが、「暗闇」の方が牛蛙には合いそうです。

⑧ 筋トレの憧れ蛙大ジャンプ

作者は日々、筋トレに励んでおられるのでしょう。あこがれの蛙のジャンプ。ユニークな一句です。

⑨ 車道越え何故蛙は田を変える

韻を踏んだような一句。危険を冒しても田を変えるのはなぜ?

⑩ 畦道を跳んで横切る蛙かな

こちらは畦道です。こういった光景も見なくなってしまいました。


⑪ 鳥獣戯画ぬけでて恋の蛙かな

ユーモラスな動きの鳥獣戯画。今にも飛び出しそうです。きっと恋をしているのでしょう。

⑫ 町住居蛙に会はぬ十連休

「町ずまい」と読みます。今年ならではの十連休。結局、蛙には合わずじまいでした。

⑬ てんでんこ田に水入りて蝌蚪の舞

東日本大震災の津波で知った「てんでんこ」という言葉。「それぞれが逃げる」という意味だったと思います。オタマジャクシもそれぞれが舞っています。

⑭ 蛙(カワズ)聞く昔語りの先触れか

これから昔話が始まるのでしょうか?

⑮ 誰がために尻尾捨てしや蛙鳴く

どうしてしっぽを捨ててしまったのでしょうか?水中から陸へと生きるため。「誰のために」という言葉を使ってみたかったという作者。


⑯ 葉の上に恥ずかし茶色の雨蛙

「葉の上の」としてはどうかという意見がありました。「に」では説明的かも?

⑰ 旅枕子の背とんとん蛙鳴く

優しい一句。旅枕で時を超えた感じがしました。

いかがでしたでしょうか?なかなか難しいお題でした。来月は梅雨入りして蛙にとっては嬉しい季節。人間にはどうでしょうか?
来月のお題は「『雨』の字を持つ夏の季語」です。
梅雨・梅雨晴れ間・五月雨・白雨・雷・夕立雲など。
『雨』が含まれていれば、どの季語でもOKです。

さて、どんな雨が降るでしょうか?6月19日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階でお待ちしています。麗
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月句会の投句が集まりました。  遅足

2019年05月15日 | Weblog
今回の題詠は「蛙」やさしそうで難しいお題でした。
いまや蛙は絶滅危惧種(?)でしょうか。
なかなか身の回りでみることが出来ませんでした。


題詠「蛙」

①苔寺の色に溶けゆく雨蛙
②蛙鳴く昭和の夜は遠くなり
③蛙の子手足出る時神社の池
④てのひらにひんやりかろきあまがえる
⑤遠蛙夢にブレーキかけし声
⑥闇の中合唱する蛙達
⑦引っ越すや暗闇わけて牛蛙
⑧筋トレの憧れ蛙大ジャンプ
⑨車道越え何故蛙は田を変える
⑩畦道を跳んで横切る蛙かな
⑪鳥獣戯画ぬけでて恋の蛙かな
⑫町住居蛙に会はぬ十連休
⑬てんでんこ田に水入りて蝌蚪の舞
⑭蛙(カワズ)聞く昔語りの先触れか
⑮誰がために尻尾捨てしや蛙鳴く
⑯葉の上に恥ずかし茶色の雨蛙
⑰旅枕子の背とんとん蛙鳴く


自由題

①山桜平成惜しみ咲きほこる
②婚礼の日決まり満開ヒトツバタゴ
③樟若葉ランチタイムの混むベンチ
④天使の血青空染めてアカヤシオ
⑤牡丹まで径やわらかく生まれけり
⑥鼻の差の一着二着青嵐
⑦麻のれん白き襟足風と抜け
⑧禅寺の回廊を行く若葉風
⑨池揺らす魔物の影や蝌蚪の群れ
⑩隣家(トナリ)よりパン焼く匂い春目覚め
⑪衣替えトキメキ無しは断捨離へ
⑫赤き薔薇活けて心に灯のともる
⑬春の空あと一押しの青き日よ
⑭腰折れの翁レジ打つつばめの子
⑮白犀も河馬も眠れり若葉して
⑯柏餅一つ残して子等の去る
⑰剪定の枝の向こうは青い空

さてどの句に5月の風はあつまるのでしょうか・・・? 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都へ行ってきました。  遅足

2019年05月14日 | Weblog

京都国立博物館で、一遍聖絵(いっぺんひじりえ)が展示されていました。
国宝というレッテルに弱い私は行ってきました。
絵巻は全12巻。130メートルにも及びます。

一遍聖絵、社会科の教科書に載っていた記憶があります。
場所は、今の岡山県の福岡の市。刀に手をかけた武士に説法する一遍さん。
色の黒い、汚れた衣を着ているのが一遍さんでした。

踊念仏を説いて旅から旅へ。旅先で死ぬまで全国を歩き回った一遍さん。
その足跡は中世の農村や町、風俗の記録としても貴重なものだとか。

学芸員の方のお話もありました。
一遍さんは1239年に生まれなので。「一遍さん生まれてサンキュウ」。
亡くなったのは1289年。「一遍さん亡くなってすぐ焼く」。
と暗記したそうです。
ちょうど50歳で亡くなっています。

絵巻の最後は臨終の場面。一遍さんは仰向けに横たわっています。
しかし下書きでは横向きでした。これは最近行われた修理で分かったこと。
またちょうど、この絵巻が描かれた頃から一生を紹介するものに
変っていったとか・・・・なぜ?なぜ?
まだまだ分からないことばかりとのことです。

難しいお話を聞いて外へ出ると、東山一帯は椎の木の花盛り。
気持ちの良い風のなか、黄金色に輝いていました。
踊念仏とはどんなものなのか?一度、見てみたいと思いました。

  椎の花なむあみだぶつのかぜがふく



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花冷えや駅弁の紐うすみどり  狗子

2019年05月13日 | Weblog

花冷え。桜の咲くころ、冷え込むことがあります。
そのひえびえとした感じを「花冷え」といいます。
早春の春寒とは違い、暖かくなってからの冷え込みです。
そんな気候を花冷えと名付けた古人のこころに脱帽です。

作者は旅の途上なのでしょうか。
駅弁を買って、さあ食べようと紐に手をかける。
そこに「うすみどり」の色を発見した。
ささやかな美を感じたのでしょう。
その小さな驚きが句になりました。

駅弁の紐、という普通なら気にもかけないモノに目が留まる。
作者のこころには小さな屈託があったのかも知れません。
575の小さな器に小さな美。
俳句らしい良い句だと思います。(遅足)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冥土かな闇に浮かびし山桜  殿

2019年05月12日 | Weblog

黎明の甲斐駒岳。幽明を隔てるような美しい山桜。
闇の中からふわりと浮かび上がります、と作者。

この句を読んだ時、思い出しました。
梶井基次郎の『桜の樹の下には』です。

桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。
何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて
信じられないことじゃないか。
俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。
しかしいま、やっとわかるときが来た。
桜の樹の下には屍体が埋まっている。

この世とあの世とは、別々に存在するものですが、
どこかに通路があるようです。
究極の美は死の世界に通じている・・・。

句に従って読んでみましょう。
冥土かな。まず黄泉の国が提示されます。
切れ字の「かな」がありますから、ああ!ここは冥土なのだ!
その冥土の闇に浮かんでいたのは山桜。その美しさよ!

山桜が美しい幽霊のように感じられるのです。(遅足)

  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「 津島祭礼図屏風 」 ⑤ 〜 市江車 ( いちえぐるま) 〜 竹中敬一

2019年05月10日 | Weblog

写真は「津島祭礼図屏風 」(「 綴プロジェクト 」高精細複製品より)
左隻の「 朝祭り 」の一場面 。先頭をいく市江車 。


大英博物館蔵の「 津島祭礼図屏風 」の高精密複製品が平成18年、「 綴プロジェクト 」

から愛知県の津島市と愛西市に寄贈されましたが、なぜ、この屏風が愛西市と共有なのか、

不思議に思う人も多いと思います 。

私も最初はそう思ったのですが、天王祭のことを少し調べてみるとわかります 。

昔から朝祭りの先頭をいくのが、今の愛西市の 「 市江車 」と決まっていたのです 。

朝祭りの山車 ( だし )を車と呼ぶそうです。

市江は 「 現在の弥富市北部 ( 荷之上町、鯏 "うぐい"浦町 、五之三 )と愛西市佐屋地区の

一部 ( 西保町、東保町 、西条町 、東條町 ) 。

荷之上町 (にのうえちょう) の服部家 と東保町の宇佐美家を車屋 ( 世話人 )とする 。」

( 「 海部津島祭礼・ 芸能事典 」平成24年 津島ロータリークラブ )とあります 。

屏風絵の朝祭り( ハ曲一双 )の場面を見てみると、先頭に市江車つづいて津島五ヶ村

の五艘が車河戸 ( くるまこうど ー 祭船の準備する所 )を出船して、お旅所へ

向かうシーンが描かれています 。




「 綴プロジェクト 」高精細複 複製品より

市江車 。白い布鉾を持った褌姿の10人を鉾持衆 ( ほこもちしゅう )という 。

この後、次々と川に飛び込み お旅所へ向かう 。


先頭を行く市江車を見てみます。

屋形の上に二段の屋台が組まれ、一番上に能人形が置かれています。

屋根前方の左右には紅白の紙を切り抜いて作った梅花を飾っているのが見えます。

屋台の裾は花柄入りの赤い布で被っています。

また、屋形の屋根には金襴の軒幕 。その上に小袖を飾り付けています 。

白い布鉾を持った褌姿の10人の若者たち 。この鉾持衆 (ほこもちしゅう )は布鉾を

背負って次々に川に飛込み、お旅所へ向かいますが、この泳ぐ場面は描かれていません 。

津島天王祭は車屋 ( くるまや ) など津島の町方衆の財力によって支えられていましたが、

その事は改めて後にお伝えします。






コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラ映画   麗

2019年05月09日 | Weblog
GWの最終日、映画「グリーンブック」をようやく見てきました。今年のアカデミー賞作品賞に輝いた一作。
一言で感想を述べると「心揺さぶられました」。

黒人差別の激しい1962年。上品で高尚な黒人ピアニストと、その運転手として雇われたちょい悪の
イタリア系アメリカ人の二人が主人公。彼らはアメリカ南部のツアーに出かけます。
車内の会話、価値観、家族との向き合い方。葛藤。ツアー先でのさまざまなトラブルを通して二人の心の距離が近づいて行きます。
グリーンブックとは黒人専用のホテルやレストランが載ったガイドブックのこと。こんなものまであったのですね。差別の根深さがあちこちで見受けられますが、それを上回る笑いや涙に心が癒されました。

人は結局、人との出会いで救われ変われるという感動の一作となりました。実話を基に作られた映画です。
「映画ってやっぱりいいですね♪サイナラ、サイナラ、サイナラ!!」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月の「蛙」句会が近づいてきました。  

2019年05月08日 | Weblog
今回の題詠は「蛙」です。

春になると田に水が張られ、恋の季節を迎えた蛙たちが鳴きはじめます。
ここから蛙は春の季語とされています。

  くくくくと蛙に蛙惚れて鳴く  辻田克己

その年に初めて聞く蛙の声なら初蛙。遠くの方から聞こえてくる声なら遠蛙。
夕方の声なら夕蛙などとも言います。
蛙のうちでも、青蛙(雨蛙)と河鹿(かじか)は夏の季語とされています。

最近、身近に蛙を見なくなりました。
今朝の中日春秋によれば世界の「両生類」の40%は絶滅の危機に。
水辺ならどこにでも見られたトノサマガエル、庭の隅にいたヒキガエル。
どこへ行ってしまったのでしょう?
いや私たちはどこへ追いやってしまったのでしょう・・・
等さんは東山植物園まで足をのばし、やっとオタマジャクシを見つけたそうです。

蛙といえば、こんな作品も。
  
  るるるるるるるるるるるるるるるるるるるる

20個の「る」の行列。俳句ではありません。「詩」です。作者は草野心平。
「る」の羅列を見詰めていると、蛙が並んでいるように見えませんか。
また「るるる・・・」という音の響きは蛙が歌っているようにも。

  力を抜かず力まず蛙およぐかな

私はカエルに泳ぎを教えてもらいました。(遅足)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花の塵築地のつづく札所かな  千香子

2019年05月07日 | Weblog

花の塵。
散った桜の花を塵にみたてた言葉。春の季語です。

築地(ついじ)。
築地塀のこと。京都の御所などの築地塀は立派です。
この句「築地のつづく」とありますから大きな建物ですね。

札所。
巡礼者が参拝のしるしとして、札を納めたり受け取ったりする所。
三十三所の観音の霊場、八十八所の弘法大師の霊場など。

桜の花が散っている道。道に沿って築地がめぐらされています。
立派なお寺でしょうね。四国八十八か所の札所の一つでしょうか。
一幅の絵を見るような美しい句です。

季語に中七下五の景を取り合わせた模範的な一句です。
下五に具体的なお寺の名を入れてもよいと思います。

  遍路の荷おろす床几に花の塵  深川正一郎

  今生は風のつづきの花の塵  坂本敏子

  ただのごみになりかけてゐる花の塵  辻桃子

  燃えるゴミに掃きよせておく花の塵  竹内弘子

いずれも花の塵という季語を生かした句。
どの作り方が正解ということはありません。(遅足)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペンギンや桜のプール力泳す  すみ

2019年05月06日 | Weblog

動物園でペンギンのプールが桜の花びらでいっぱいでした。
そこをペンギンが凄い速さで泳いでいました、と作者。

水中を泳ぐことの得意なペンギン。
時速40キロちかいスピードで泳ぐものもいるとか。
イルカのように海面でジャンプすることもあります。
陸上に戻るときには、いったん深く潜り、勢いを付けて飛びあがる。
自在に泳ぎ回る様は「水中を飛ぶ」ようです。

日本人はペンギンが大好きなようです。
世界の動物園のペンギンの4分の1は日本に。その数は約2000羽。
そのうち半分はフンボルトペンギンだそうです。
この句のペンギンもきっとフンボルト君ですね。
いやフンボルトさんかも。

「桜のプール」「力泳す」という中七下五の描写が詩的です。(遅足)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大潮は受難の日々や浅蜊貝  能登

2019年05月05日 | Weblog

干満の激しい大潮は潮干狩りに最適。浅蜊貝にとって受難の日々。
思わず笑みの浮かぶ諧謔がうまく句に取り込まれています。
しかし時事的な視点を加味すると、干潟の消滅やプラスチック汚染も
受難のひとつともいえるでしょう。
浅蜊貝にとって潮干狩りだけが受難の日になってほしいと願う句。
と殿様の評です。

             

春は潮干狩りの季節ですが、最近はテレビのニュースで見かけません。
人気に陰りでも出たのでしょうか?
子供の頃には知多半島へ潮干狩りにいきました。
伊勢湾と三河湾に接しているのですが、三河湾のほうがよく獲れました。
三河湾は干潟が発達して、アサリの大産地です。

縄文時代の貝塚も残っています。
地元で消費されるだけでなく、交易品として各地へ運ばれたとか。
アサリの加工は今も続く日本一歴史の長い産業かもしれません。
さすがの三河湾も埋め立てによって干潟が減少。
アサリの漁獲量も減っているとか・・・
ちょっとサミシイ春です。(遅足)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「 津島祭礼図屏風 」④ 〜 朝祭り ( 大英博物館蔵 ) 〜 竹中敬一

2019年05月04日 | Weblog


旧暦6月14日の宵とその翌朝 ( 現在は7月第4土曜日とその翌日 )に行われる

津島天王祭 。その模様を描いた江戸時代前期の屏風絵を取り上げています 。

〇 屏風絵の左隻 ( 対になっいるものの左 )ー 朝祭り

「 津島祭礼図屏風 」( 大英博物館蔵 )
「 綴プロジェクト 」高精細複製品より
左隻 「 朝祭り 」の一場面 、向かって右側 屋台の上には能人形が
置かれています 。

前夜の装いを変えた山車( だし ) 船 五艘の先頭に市江の山車船一艘が加わっています。

五艘は津島五ヶ村 ( 今市場、筏場、下構 ( しもがまえ )、堤下( とうげ )、米之座 ) の

山車船 。

もう一艘は市江 ( 愛西市佐屋地区 )の山車船です。

屋台を二段に高く組んでその上に能人形を置いた船 。

更に、木組みの櫓を三層重ねた船が見えます。

これを大山と云いますが、明治5年に廃止になっています。



「津島祭礼図屏風 」大英博物館蔵
「綴プロジェクト 」高精細複製品より
左隻 「 朝祭り 」の一場面 観覧船の中でケンカが始まった 。


前夜と同じように天王川には20艘余りの船が浮かび、中には屋根を付けた船で見物する

人々の姿もみられます。山車船とその伴船とに綱を渡しての曲芸や見物人を乗せた船の中

でケンカするシーンなども描かれています、

川の手前では、昨夜の同じ食べ物を売る店で昨夜にないウドンを作って売る場面や

前夜よりやや多い群衆の姿が見られます。

また、津島名物の菓子 「 あかだ 」を歩きながら売る ( 立ち売り ) 姿なども見えます 。

宵祭り、朝祭りに描かれている群衆を数えてみたところ凡そ1000人余りでした。

貴賎様々 、それぞれの身なり、表情まで細かく丁寧に描かれていて、思わず

引きこまれます 。

次回は朝祭りで先頭をいく市江の山車船についてお伝えします。

眼を凝らして見ないとわからないような場面を出来るだけ多くクローズアップして

後ににお伝えします。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百ニ歳令和記憶し安堵の春  すみ

2019年05月03日 | Weblog


友人のお母様は102歳。
新元号の「令和」を覚えてホッとしていると聞きました、と作者。

百二歳。大正・昭和・平成・令和の4つの時代を
生きてこられたことになりますね。
頭もしっかりしていらっしゃいます。
すばらしいことです。

この百年。日本人は2つの峠を越えてきました。
一つは戦争と敗戦。もう一つは高度経済成長とバブル崩壊。
とくに敗戦は国のあり方を根っこから変えました。
国の主人公は天皇から国民に。180度の転換。

新しい象徴天皇制。荒野に道を作るような仕事。
平和憲法を真剣に受け止めて、実践してきたのは平成天皇でした。
今回の退位をめぐる動きを見ていると、
そうだったのだ、と改めて思わざるを得ません。

これを支える国民の主権者としての意識はどうでしょう?
成長したのでしょうか?
憲法を変え、国民を国家の従わせようという
安倍さんたちの動きに思いを致せば、これからの令和の時代。
象徴天皇制を生かすも殺すも国民次第。

国民のみなさん!しっかりして下さい。
天皇に叱られてるような気分です。
100年先に悔いを残さないように生きていきたいものです。(遅足)



コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラレイコ  明智城址編  麗

2019年05月02日 | Weblog
今回のブラレイコは岐阜県可児市。来年の大河ドラマは明智光秀ということで一足早くゆかりの地を訪ねました。
可児市は光秀の生誕地と言われています。
まずは天龍寺を訪れました。
明智氏歴代の墓所があり本堂には光秀の大きな位牌がありました。毎年6月には光秀供養祭も行われるそうです。こじんまりしたお寺ですが、訪れる人が多いようです。お庭に見事なぼたんが咲いていました。

天龍寺にほど近いところに明智城址に至る坂道があります。光秀の家紋にちなんで「桔梗坂」とありました。山城の踏みしめられた石段を登ること約10分。写真の明智城址の石碑がありました。明智城は1342年に土岐頼兼が明智を名乗り「長山城」という山城を築いたのが始まりとのこと。1556年、光秀の叔父が城主だったときに、稲葉城主の斉藤義龍によって落城したとあります。

可児市には土田城跡、今城跡など7つもの山城跡が存在することがわかりました。息を潜めるようにひっそりと残る山城跡もなかなか興味深いです。
帰りに道の駅に寄って「タラの芽」を買って来ました。夜に天ぷらにしておいしく頂きました。

         新緑の木漏れ日を行く古道かな  麗 (令和元年5月2日)令和使って見ました!

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木々芽吹き「令和」時代へ進水す  晴代

2019年05月01日 | Weblog

木々も芽吹く春。今日5月1日。
新しい「令和」天皇を戴いた日本丸が進水しました。
1億の日本人が乗った日本丸です。
天皇は船長さん?船長さんは安倍さん?
では天皇は羅針盤にあたるのでしょうか?
象徴天皇とは?に明確な答えはまだありません。

           

能に世阿弥の作で「養老」という曲があります。
岐阜県の養老の滝を題材にとったもの。
そのなかにこんなフレーズがあります。

  君は舟。臣は水。
  水よく船を、浮めうかめて
  臣よく君をあおぐ御代とて幾久しさも
  尽きせじや尽きせじ。

「君は船、臣は水」という格言の出典は中国の荀子。
君は舟なり。庶人は水なり。水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す。

君主は舟で、庶民は水。水は舟を浮かべもするが、転覆させもする、
という意味だそうです。

現代風に言えば、「社長は舟、部下は水」といった感じでしょうか。
舟は水に浮かんでこそ舟としての役割を果たします。
そして舟を浮かべているのは水です。
社長は部下が支えてくれているからこそ社長でいられるわけです。

5月1日。令和天皇が即位。
天皇と国民の関係はどうあるべきか?
平成天皇は象徴天皇としてのひとつの答えを見つけようと努力されました。

令和はどんな時代となるのか?
新しい象徴天皇のあり方をどう作り上げていくのか?

  戦なき令和の世なれ草青む  亜子

100年先も戦争のない世でありますように。
象徴天皇は平和の人であってほしいと思います。(遅足)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする