今日は暇人の住んでいる街の上空にだけ低い雲が立ち込め、面白くない一日だった。
今年は札幌の町中にも熊が出没し、当然我が家の裏山にもウロウロしているだろう。
やはり山道でバッタリ、などと熊には会いたくないので散歩は海へ行く。
海へ行ったが何も無い、何も無いがひたすら砂浜を歩く。
有った!ワインの空き瓶が一本と何かの動物の足跡が、それと砂浜の風紋が。
ここまでくると、暇つぶしもほとんど修行の境地であり、なにか矛盾と虚しさを感ずる。
星置川河口にて、釣りとは究極の暇つぶしである。
釣りをする人。
釣りをする人と、釣りをする人を見ている人。
釣りをする人と、釣りをする人を見ている人、を見ている人。
釣りをする人と、釣りをする人を見ている人、を見ている人を写真に撮っている暇人。
一枚の写真の中に、四重のそれぞれの暇人の世界が有るのだ。
でもこの釣り人、遡上してくるサケを一本釣り上げた、暇人も見ていたのだった。