老人は枯野を徘徊する、傍から見ればほとんど風景に同化している。
枯骨の身に存在感は無い、枯れすすきの一本と同じだ、空の青さが目に染みる。
その空を見上げれば薄っすらと彩雲が出ていた、空気が冷たく澄んできた、冬が近い。
足下を見ると枯れ葉の中にまだ咲いている花が有った、アカツメクサだ。
ノコンギクもまだ咲いていた、キク科の花はしぶといやつだ。
アメリカセンダングサは鋭い種となって、通りかかる獣を待ち構えていた。
夏にはこんな姿をしたキク科の花だったのに。
種を拡大してみた、こんな形になるのも植物の生存戦略、ズボンの裾に沢山付いていた。