【まくら】
上方落語の『寝床浄瑠璃』が原型で、後に東京落語に移入された。
義太夫(浄瑠璃)は大坂が本拠地ではあるが、江戸にも芝居町に人形浄瑠璃の小屋があり、中期には江戸語の浄瑠璃もでき、ファンはおおぜいいた。
江戸でも大坂でも浄瑠璃正本や浄瑠璃の稽古本が売れ、浄瑠璃を習う素人の人口も増えていった。
すでに一七七七年、『浄瑠璃稽古風流(じょうるりけいこぶり)』という洒落本まで江戸で出版されている。
この本は、女師匠のところに稽古に集まってきた連中が浄瑠璃談義をする、その様子をせりふで書いたものだ。
『寝床』では、義太夫を聴かせようとする旦那と、聴くまいとする従業員および長屋の店子とのあいだに立って、右往左往する番頭の繁蔵という人物が出てくる。
そういえば番頭という役回りは他の落語でも戯作でも、旦那と息子の間に立っていさめたりかばったり、という「板挟み」役が多く、事実そういう存在だったのだろう。
それもそのはずで、番頭は十歳ぐらいで丁稚に入った時からずいぶん旦那の世話になる。
三度の食事から、着物履物、そろばん、手習い、病気治療など家族の一員として仕込まれる。
元服して手代となり、十年ほど無事に勤務すると番頭に昇格した。
そうなれば世帯をもつことが許され、番頭の筆頭なら支配人と呼ばれて敏腕をふるう。
しかし板挟み番頭はそういう番頭ではなく、家族の一員として泣いたり笑ったりの人物。旦那の心のよりどころである。
出典:TBS落語研究会
【あらすじ】
ある義太夫の好きな大家、すぐ他人に語りたがるが、あまりにも下手なので、長屋の店子たちは誰も聞きに来ない。
だったら、せめてご馳走をして、ご機嫌をとろうと色々と準備をしてから店員の繁蔵を呼びに行かせたがやはり駄目。
提灯屋は開店祝いの提灯を山のように発注されてんてこ舞い、金物屋は無尽の親もらいの初回だから出席しない訳にはいかず、小間物屋は女房が臨月な為辞退、鳶の頭は成田山へお詣りの約束、豆腐屋は法事に出す生揚げやがんもどきをたくさん発注されて大忙しと全員断られてしまった。
ならば、と店の使用人たちに聞かせようとするが、全員仮病を使って聴こうとしない。
頭に来た旦那は、長屋は全員店立て(たたき出す事)、店の者は全員クビだと言って不貞寝してしまう。
それでは困る長屋の一同、観念して義太夫を聴こうと決意した。
一同におだてられ、ご機嫌を直して再び語ることにした旦那は準備にかかる。
その様子を見ながら一同、旦那の義太夫で奇病(その名も「義太熱」、「ギダローゼ」)にかかったご隠居の話などをして、酔っ払えば分からなくなるだろうと酒盛りを始めた。
やがて始まった旦那の義太夫をよそに、酒が回った長屋の一同、全員居眠りを始めてしまう。
我に返って気づいた旦那は激怒するが、何故か丁稚の定吉だけが泣いているのを見て機嫌を直した。
何処に感動したのかと、語った演目を片っ端から質問してみるが、定吉の返事は「あたくしは----あすこが寝床でございます」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【オチ・サゲ】
途端落ち(最後の一言で結末のつくもの)
【噺の中の川柳・譬(たとえ)】
『まだ青い素(白)人が玄(黒)人がって、赤い顔して黄色い声を出す』
【語句豆辞典】
【義太夫】
浄瑠璃の一種、後にその異名となる。竹本義太夫が播磨流の浄瑠璃から一流を編み出して義太夫節と名づけた。御簾の後ろで語るのを御簾内といい、御簾なしで語るのを出語りという。
【見台】
稽古用の本を載せる傾斜した台。
【この噺を得意とした落語家】
・八代目 桂 文楽
・三代目 三遊亭金馬
・六代目 三遊亭圓生
【落語豆知識】
【大喜利】数人の落語家で謎掛け等の出来を競う、笑点でお馴染み。

上方落語の『寝床浄瑠璃』が原型で、後に東京落語に移入された。
義太夫(浄瑠璃)は大坂が本拠地ではあるが、江戸にも芝居町に人形浄瑠璃の小屋があり、中期には江戸語の浄瑠璃もでき、ファンはおおぜいいた。
江戸でも大坂でも浄瑠璃正本や浄瑠璃の稽古本が売れ、浄瑠璃を習う素人の人口も増えていった。
すでに一七七七年、『浄瑠璃稽古風流(じょうるりけいこぶり)』という洒落本まで江戸で出版されている。
この本は、女師匠のところに稽古に集まってきた連中が浄瑠璃談義をする、その様子をせりふで書いたものだ。
『寝床』では、義太夫を聴かせようとする旦那と、聴くまいとする従業員および長屋の店子とのあいだに立って、右往左往する番頭の繁蔵という人物が出てくる。
そういえば番頭という役回りは他の落語でも戯作でも、旦那と息子の間に立っていさめたりかばったり、という「板挟み」役が多く、事実そういう存在だったのだろう。
それもそのはずで、番頭は十歳ぐらいで丁稚に入った時からずいぶん旦那の世話になる。
三度の食事から、着物履物、そろばん、手習い、病気治療など家族の一員として仕込まれる。
元服して手代となり、十年ほど無事に勤務すると番頭に昇格した。
そうなれば世帯をもつことが許され、番頭の筆頭なら支配人と呼ばれて敏腕をふるう。
しかし板挟み番頭はそういう番頭ではなく、家族の一員として泣いたり笑ったりの人物。旦那の心のよりどころである。
出典:TBS落語研究会
【あらすじ】
ある義太夫の好きな大家、すぐ他人に語りたがるが、あまりにも下手なので、長屋の店子たちは誰も聞きに来ない。
だったら、せめてご馳走をして、ご機嫌をとろうと色々と準備をしてから店員の繁蔵を呼びに行かせたがやはり駄目。
提灯屋は開店祝いの提灯を山のように発注されてんてこ舞い、金物屋は無尽の親もらいの初回だから出席しない訳にはいかず、小間物屋は女房が臨月な為辞退、鳶の頭は成田山へお詣りの約束、豆腐屋は法事に出す生揚げやがんもどきをたくさん発注されて大忙しと全員断られてしまった。
ならば、と店の使用人たちに聞かせようとするが、全員仮病を使って聴こうとしない。
頭に来た旦那は、長屋は全員店立て(たたき出す事)、店の者は全員クビだと言って不貞寝してしまう。
それでは困る長屋の一同、観念して義太夫を聴こうと決意した。
一同におだてられ、ご機嫌を直して再び語ることにした旦那は準備にかかる。
その様子を見ながら一同、旦那の義太夫で奇病(その名も「義太熱」、「ギダローゼ」)にかかったご隠居の話などをして、酔っ払えば分からなくなるだろうと酒盛りを始めた。
やがて始まった旦那の義太夫をよそに、酒が回った長屋の一同、全員居眠りを始めてしまう。
我に返って気づいた旦那は激怒するが、何故か丁稚の定吉だけが泣いているのを見て機嫌を直した。
何処に感動したのかと、語った演目を片っ端から質問してみるが、定吉の返事は「あたくしは----あすこが寝床でございます」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【オチ・サゲ】
途端落ち(最後の一言で結末のつくもの)
【噺の中の川柳・譬(たとえ)】
『まだ青い素(白)人が玄(黒)人がって、赤い顔して黄色い声を出す』
【語句豆辞典】
【義太夫】
浄瑠璃の一種、後にその異名となる。竹本義太夫が播磨流の浄瑠璃から一流を編み出して義太夫節と名づけた。御簾の後ろで語るのを御簾内といい、御簾なしで語るのを出語りという。
【見台】
稽古用の本を載せる傾斜した台。
【この噺を得意とした落語家】
・八代目 桂 文楽
・三代目 三遊亭金馬
・六代目 三遊亭圓生
【落語豆知識】
【大喜利】数人の落語家で謎掛け等の出来を競う、笑点でお馴染み。


