![]() | 昭和少年図鑑峰岸 達,ねじめ 正一白泉社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆Amazon.co.jp◆
大御所イラストレーター峰岸達と、直木賞作家ねじめ正一が多感な少年時代を過ごした昭和20~30年代を描いたエッセイ兼イラスト集。
50音順で昭和のキーワード201個が紹介され、それぞれにイラストと、峰岸によるコメントを掲載。このコメントがなかなか興味深い。たとえば「石原裕次郎」。
「デビューしてから5年ぐらいの間の裕ちゃんは、ひたすらカッコよかった。1メートル80センチあって脚が長くて、太陽族で、ビールを水代わりに飲んで、イカしてたのに、ちょっと太りだすのが早過ぎたぜ!」といったふう。
ちなみにイラストは、きりっとした眉のイカした裕次郎の立ち姿。
そのほか、おかっぱ頭の女の子、イガグリ頭の男の子、丸みを帯びた郵便ポストなど、当時街角で見受けたなつかしい人々や光景が、落ち着いた色づかいで描かれている。
ぱらぱらとページをめくるだけでも、思わずほのぼの気分。
ねじめ正一の書き下ろしエッセイは「空き地」「映画館」「テレビ」「長嶋茂雄」「メンコ」など全10編。
ときにほろりとさせたり、ドキドキさせたり、思わず共感を覚えてしまう、人肌のエッセーがつづられている。
「ステキな昭和」にワープさせてくれる作品集だ。(中西リエ)
◆「BOOK」データベースより◆
オールカラー・イラスト+珠玉エッセイでおくる!
“昭和の少年”の夢と日常を活写した201のキーワード。
高度成長が日本人の日常を変質させる以前の、懐かしくも心温まる物語。
ねじめ正一の書き下ろしエッセイ全10編収録。
◆「MARC」データベースより◆
土管:なぜかよく空き地に土管があった、割烹着:明治生まれの母は一日中割烹着を着ていた…少年時代を過ごした昭和20~30年代の想い出を、イラストと解説、エッセイでまとめる。
【読んだ理由】
図書館で他の本を探していて偶然見つけて。
【印象に残った一行】
『割烹着』
明治生まれの母は、一日中割烹着を着ていた。そして、割烹着のポケットはいつもふくらんでいた。何でもポケットにしまう。簡単に物を捨てたりしない。一度かんだハナ紙だってたたんでしまっておく。
『三角乗り』
子供用の自転車を持っていない子は、三角乗りの稽古。大人用の自転車はでかくて重い。あっちふらふら、こっちふらふら。やっと乗れるようになったときの喜びは格別。右膝の赤いのは、練習中にころんでできた傷に塗った赤チン。
『ハナタレ』
ハナを垂らしている子供が多かった。ハゲとセットみたいなもので、やはり栄養の悪さのせいなのだろうか。こういう子に限ってあまりハナをかまない。唇の方まで垂れてくると舐めたり、ジャンパーの袖口で拭いたりする。だから袖口がいつもテカテカ光っていた。
『木造校舎』
すべての建物のなかで最も郷愁を誘う建物。木枠の窓、二人用の机、小さな椅子、教卓、黒板、板張りの廊下、階段、渡り廊下、水飲み場。校庭に出れば二宮金次郎、朝礼台、百葉箱、ブランコ、鉄棒、砂場・・・付随するすべての物もなつかしい。
【コメント】
「アイスキャンデー」から「輪回し」まで昭和のキーワード201全てが少年時代のあの頃、あの時を思い出させてくれる。
私と同年代の人すべてにお薦め。
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