赤めだか立川 談春扶桑社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆内容(出版社から)◆
サラリーマンより楽だと思った。
とんでもない、誤算だった、立川談春、17 歳で天才・談志に入門。
笑って泣いて胸に沁みる、「家族以上」の師弟関係。そして強く立つことを教えてくれる。
落語家前座生活を綴った、破天荒な名随筆、ついに発売。
◆著者◆
昭和四十一年、東京都生まれ。昭和五十九年、立川談志に入門。平成九年、真打昇進。
「林家彦六賞」「国立演芸場花形演芸会大賞」「彩の国拾年百日亭若手落語家シリーズ大賞」等々、多数受賞。
平成十八年、東京・池袋で「談春七夜」と銘打った七夜連続独演会を敢行、話題を呼んだ。
落語CDに「20年目の収穫祭」「来年3月15日」
【読んだ理由】
私は知らなかったのだが、落語家の書いた本として有名らしい。
【印象に残った一行】
翌日、談春と談志と書斎で二人きりになった。
突然談志が、
「お前に嫉妬とは何かを教えてやる」
と云った。
「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいればさらに自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間なかなかそれができない。嫉妬している方が楽だからな。芸人なんぞそういう輩の固まりみたいなもんだ。だがそんなことでは状況は何も変わらない。よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方がない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う」
【コメント】
落語界の異端児、立川談志の意外な一面も垣間見ることが出来、おもしろく読ませる。