![]() | 八日目の蝉角田 光代中央公論新社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか--理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。
家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。
【読んだ理由】
NHK[私の1冊 日本の100冊」の中で光浦靖子さん推薦本。
【印象に残った一行】
「前に、死ねなかった蝉の話をしたの、あんた覚えてる?七日で死ぬよりも、八日目に生き残った蝉のほうがかなしいって、あんたは言ったよね。私もずっとそう思ってたけど」千草は静かに言葉をつなぐ。「それは違うかもね。八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから。見たくないって思うかもしれないけれど、でもぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでないと、私は思うよ」
【コメント】
前半と後半との場面転換は見事。

