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【漢文】
君召使擯、色勃如也、足矍*如也、揖所與立、左右其手、衣前後贍*如也、趨進翼如也、賓退、必復命曰、賓不顧矣、
【書き下し文】
君、召して擯(ひん)たらしむれば、色勃如(ぼつじょ)たり。足カク如たり。与(とも)に立つ所を揖(ゆう)すれば、其の手を左右にす。衣(い)の前後セン如たり。趨(はし)り進むには翼(よく)如たり。賓(ひん)退けば必らず復命して曰わく、賓顧みずと。
【通釈】
孔子が君主の命令で賓客をもてなす時には、緊張した面持ちでそろそろと小刻みに歩かれた。一緒に接待役を務めている他の大臣におじぎをする時には、両手を右や左に頭と共に相手へ向けられてお辞儀されて礼服が体と共に優雅に動いた。小走りに歩まれる様は翼を拡げた鳥の様に優雅であった。賓客が退出される時に見送りで付き添った後は、君主の所まで必ず戻って来て、「(もてなしに満足していたので)お客様達は一度も振り返る事無く帰られました。」と報告された。
【English】
Confucius walked at brisk pace with a strained face when he attend to guests by his lord's order. He stretched his arms to the right and left when he bowed to other ministers, and his robe moved elegantly. His brisk step was graceful like a bird spreading its wings. After guests left the palace, he reported to his lord without fail that guests had never looked back because they were satisfied.
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。