【漢文】
顔淵死、子哭之慟、從者曰、子慟矣、子曰有慟乎、非夫人之爲慟、而誰爲慟、
【書き下し文】
顔淵死す。子これを哭して慟(どう)す。従者の曰わく、子慟せり。曰わく、慟すること有るか。夫(か)の人の為めに慟するに非らずして、誰が為にかせん。
【通釈】
顔淵(がんえん)が亡くなった時、孔子は身を震わし声を出して泣いてその死を悲しんだ。
側に居た弟子が、
「先生、泣かれているのですか?」
と尋ねると、孔子は、
「そうだ私は泣いている、彼の為に涙を流さずして誰の為に涙を流すだろうか。」
と答えられました。
【English】
When Yan Hui passed away, Confucius wailed hid death. A disciple said, "Are you wailing, master?" Confucius replied,"Yes, I'm exactly wailing. If I do not wail for him, for whom do I wail?"
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。