【漢文】
季路問事鬼神、子曰、未能事人、焉能事鬼、曰敢問死、曰未知生、焉知死、
【書き下し文】
季路、鬼神に事(つか)えん事を問う。子の曰わく、未だ人に事うること能わず、焉(いずく)んぞ能く鬼(き)に事えん。曰わく、敢(あ)えて死を問う。曰わく、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。
【通釈】
季路(きろ)が死者の魂に対してどうやって仕えたら良いか尋ねました。 孔子は、
「まだ人に仕える事さえ十分に出来ないのに、どうして上手く死者の魂に仕える事ができようか。」
と答えられました。そこで季路は死について尋ねました。 孔子は、
「まだ生について十分に理解していないのに、どうして死を理解できるだろうか。」
と答えられました。
【English】
Ji Lu asked how to serve the soul of the dead. Confucius replied, "I have not been able to serve human yet. Why can I serve the soul well?" Then Ji Lu asked about death. Confucius replied, "I have not understood life yet. Why can I understand death?"
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。