【漢文】
子曰、民之於仁也、甚於水火、水火吾見蹈而死者矣、未見蹈仁而死者也。
【書き下し文】
子曰わく、民の仁に於(お)けるや、水火よりも甚(はなは)だし。水火は吾(われ)蹈(ふ)みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり。
【現代語訳】
孔子がおっしゃいました、
「人々が水や火を必要とする以上に、彼らには仁徳が必要だ。私は水や火のせいで死んだ人を見たことがあるが、仁徳のせいで死んだ人を見たことがない」
【English】
Confucius said, "The people need benevolence more than they need water and fire. I know people who died because of water or fire. But I don't know any people who died because of benevolence."
『論語』とは
読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。