日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第八十五段

2021年02月02日 | 徒然草を読む


【原文】  
人の心すなほならねば、偽なきにしもあらず。されども、おのづから、正直の人、などかなからん。己れすなほならねど、人の賢を見て羨やむは、尋常よのつねなり。至りて愚なる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。「大きなる利を得がために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす」と謗る。己が心に違へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ、この人は、下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。

 狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥きを学ぶは驥の類、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

【現代語訳】
人の心は素直でないから、嘘偽りにまみれている。しかし、生まれつき心が素直な人がいないとも言い切れない。心が腐っている人は、他人の長所を嗅ぎつけ、妬みの対象にする。もっと心が腐って発酵している人は、優れた人を見つけると、ここぞとばかりに毒づく。「欲張りだから小さな利益には目もくれず、嘘をついて人から崇め奉られている」と。バカだから優れた人の志も理解できない訳で、こんな悪態をつくのだが、この手のバカは死んでも治らない。人を欺いて小銭を巻き上げるだけで、例え頭を打っても賢くなる事はない。

 「狂った人の真似」と言って国道を走れば、そのまま狂人になる。「悪党の真似」と言って人を殺せば、ただの悪党だ。良い馬は、良い馬の真似をして駿馬になる。聖人を真似れば聖人の仲間入りが出来る。冗談でも賢人の道を進めば、もはや賢人と呼んでも過言ではない。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2021/02/02)

2021年02月02日 | Daily Vocabulary
26641.Go through the roof(非常に高くなる / 限度を超えて上昇する)If the level of something such as the price of a product or the rate of inflation goes through the roof, it suddenly increases very rapidly indeed. 
The prices are going through the roof right now. I'm just going to sit tight for a while. 
26642.Way to go!(よくやった!)you can say 'Way to go' to show that you are pleased or impressed by something someone has done. 
Way to go, Andrew. All that hard work paid off!
26643.Just because _____, doesn't mean _____ (〜だからといって〜とは限らない)
Just because he's half American, doesn't mean that he can speak English.  
26644.Just because(ただ何となく) You use just because when you want to say that a particular situation should not necessarily make you come to a particular conclusion. 
I don't know. Just because. I thought you might like them.
26645.I'd love to(~したい) 
I'd love to talk more but I've got to get going. 

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