日本男道記

ある日本男子の生き様

徒然草 第百九十三段

2023年02月28日 | 徒然草を読む


【原文】 
くらき人の、人を測りて、その智を知れりと思はん、さらに当るべからず。
拙き人の、碁打つ事ばかりにさとく、巧みなるは、賢き人の、この芸におろかなるを見て、己が智に及ばずと定めて、万の道の匠、我が道を人の知らざるを見て、己すぐれたりと思はん事、大きなる誤りなるべし。文字の法師、暗証の禅師、互ひに測りて、己に如かずと思へる、共に当らず。
己が境界にあらざるものをば、争ふべからず、是非すべからず。  

【現代語訳】  
知識の乏しい人が、他人を観察して、その人の知能の程度を分かったつもりでいたとしたら、全て見当違いである。
一般人で、碁しか取り柄の無い者が、碁が苦手な賢人を見つけ出し、「自分の才能には及ばない」と決めつけたり、各種の専門家が、自分の専門分野に詳しくないことを知り、「私は天才だ」と思い込むことは、どう考えても間違っている。経ばかり唱えている法師と、座禅ばかりしている法師が、お互いに牽制し合い、「私の修行の方が徳が深い」と思い合っているのは、どちらも正しくない。
自分とは関係ない世界にいる人と張り合うべきでなく、批判をしてはならない。

◆鎌倉末期の随筆。吉田兼好著。上下2巻,244段からなる。1317年(文保1)から1331年(元弘1)の間に成立したか。その間,幾つかのまとまった段が少しずつ執筆され,それが編集されて現在見るような形態になったと考えられる。それらを通じて一貫した筋はなく,連歌的ともいうべき配列方法がとられている。形式は《枕草子》を模倣しているが,内容は,作者の見聞談,感想,実用知識,有職の心得など多彩であり,仏教の厭世思想を根底にもち,人生論的色彩を濃くしている。

Daily Vocabulary(2023/02/28)

2023年02月28日 | Daily Vocabulary
30096.tell off(小言を言う, をしかりつける)if someone in authority tells you off, they speak to you angrily about something wrong that you have done 
In particular, she always told off a boy. 
30097.demolish (取り壊す、くつがえす、粉砕する、(…を)食い尽くす )  to completely destroy a building 
They plan to demolish this old house. 
30098.refurbishmen  (刷新; 一新 )to decorate and repair something such as a building or office in order to improve its appearance → renovate 
I'll personally take care of your house refurbishment.
30099.utter (口から出す,発する )to say something 
‘You fool!’ she uttered in disgust. 
30100.split down the middle (均等に分かれる  ) to divide something into equal halves or groups 
Some of my friends eat bread for breakfast while others eat rice. It splits down the middle