日本男道記

ある日本男子の生き様

Daily Vocabulary(2023/04/29)

2023年04月29日 | Daily Vocabulary
30396.Don't tell me   (まさか~ではないでしょうね )used to interrupt someone because you know what they are going to say or because you want to guess – used especially when you are annoyed 
Don’t tell me. You got promoted.
30397.lead to(~につながる )
One lie lead to another.
30398.seize (掴む、捉える)to take hold of something suddenly and violently 類義語 grab 
When the lead actor quit the film, HIyori seized the opportunity.
30399.settle in (慣れる)to begin to feel happy and relaxed in a new situation, home, job, or school 
How are you settling in?
30400.take in   (吸収する、新しく覚える )a stray animal, such as a dog or cat, is lost or has no home 
It’s been a lot to take in

雨の山吹 (新潮文庫)

2023年04月29日 | 読書日記
 
【 内容】
乳呑み児をかかえた家来と出奔した妹を斬るために遠国まで追っていった兄は、みじめな境遇におちながらも小さな幸福にすがって生きる妹一家と出会う。静かな結末の余韻が深い感動を呼ぶ表題作。逆境に生きてきた勝ち気の芸者と藩政改革の矢面に立つ若侍との障害をこえた愛「山茶花帖」。ほかに「恋の伝七郎」「いしが奢る」など、武家社会のさまざまな愛の形を中心に10編を収める。
1 暗がりの乙松2 喧嘩主従3 彩虹4 恋の伝七郎著5 山茶花帖6 半之助祝言7 雨の山吹8 いしが奢る9 花咲かぬリラの話10 四年間

【 著者】
山本周五郎(1903-1967)
山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビューを果たした。その後15年近く不遇の時代が続くが、やがて時代小説の分野で認められはじめる。『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるがこれを辞退、生涯で一個の賞も受けることはなかった。『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『おさん』(1961)など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得た。中でも『青べか物語』(1960)は著者畢生の名作として名高い。

【読んだ理由】
山本周五郎作品

【最も印象に残った一行
5 山茶花帖
「人間には誰しも自分の好みの生き方がある、誰それと結婚したい、庭の広い家に住みたい、金の苦労したくない、美しい衣裳が欲しい、優雅にく足したい、だが大多数の者はその一つをも自分のものにすることが出来ずに終わってしまう、それがしぜんなんだ、なぜなら総ての人間が自分好みに生きるとしたら、世の中は一日として成り立ってはゆかないだろう、人間は独りで生きているのではない、おおくのものおが寄り集まって互いに支え合い援け合っているのだ、おまえは着物を着、帯を締めているが、それは自分で織ったものではなかろう、畳の上に座っているがその畳も自分で作ったものではない、家は大工が建て壁は左官が塗った、百姓の作った米、両市の取った魚を食べている、紙も筆も箸も茶碗もすべて他人の労力に依るものだ、おまえにとっては見も知らぬこれらの他人が、このようにおまえの生活を支えている、わかるか」

一畳の畳でさえ誰かの汗と丹精で作られたものだ、一本の柱も、一枚の瓦も、人が生きてゆくために必要などんな小さな物も、誰かの汗と丹精に依らないものはない、八重はいまそれを身にしみて理解する、そして自分がいかに多くの人に支えられて生きてきたか、これからもいかに多くの労力と誠意に支えられていきてゆくかを思い、自分が決して孤独でもなければ締め出された人間でもないことを感ずるのだった。

【コメント】
上記に引用した、脇役の男性が例え話で主人公を諭す場面は、主人公の姿を通してこちらが聞いているようで、押し付けがましくなく、素晴らしい。座右の言葉としたい。