一瞬の風になれ 第三部 -ドン-佐藤 多佳子講談社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
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高校の最終学年を迎えた新二。
入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。
才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。
100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。
目指すは、南関東大会の先にある、総体。
もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。
県の100m王者・仙波、3位の高梨。
彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。
そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。
前2巻の集大成である本書には、大会における競技シーンが多い。
そこで読み手の感情を揺り動かすのは、それまでこつこつと積み重ねてきた人物描写だ。
1、2巻を読み終える頃、物語の登場人物たちは、もはや他人ではなくなっている。
新二の声を枯らした応援につられ、握りこぶしを作って声援を送る読者も多いはずだ。
その興奮、緊張感は、南関東大会でクライマックスを迎える。
若きスプリンターたちが大舞台のスタートラインに立ち、ぞくぞくするようなスピード対決が、いま、スタートする。(小尾慶一)
◆出版社/著者からの内容紹介◆
すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説
ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。
この身体とこの走路があればいい……
「1本、1本、全力だ」
そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。
総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、鷲谷と戦うためだけでなく、何より、俺たち4人でチームを組めたことのために走りたいのだった。
「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」
全3巻圧倒的迫力の完結編!!
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。この身体とこの走路があればいい「1本、1本、全力だ」。すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説。
◆内容(「MARC」データベースより)◆
部長になった新二とエースの連。
春高陸上部の仲間たちとのハードな練習の向こうに見据えるのは、この部で、このメンバーで、インターハイに行く、ということ-。
陸上青春小説、圧倒的迫力の完結編!
【読んだ理由】
話題の書。珍しい陸上青春小説。第28回(平成18年度)吉川英治文学新人賞受賞。
【印象に残った一行】
『人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてはくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは言葉のない世界なんだ。---たぶん』
【コメント】
五十代後半の私にも若き日の血が甦る。